ー ページ41
ー
本当に一瞬の事。すぐ目の前には角名の顔があって、止める間もなく角名の唇は私のソレに押し当てられた。
いや、それどころかあろうことか、ヌルリとした感触が私の唇をこじ開けたと思ったらコロン、と。
口の中にレモン味が広がった。
『な、にを、』
「何って?口移し?」
そう。止めようとする私に構わず。角名はなぜかレモン味の飴を口移ししてきたのだ。
『バッ……!?』
「何?」
何って何!?
君はどうして恥ずかしげもなくそんなすました顔してるの!?
私は怒っていたのに。しかもここ!!教室でそんな事するなんて!!
当然クラスの注目の的。治くんもこの状況に「やるなあ、角名」なんてモグモグしてる。いやこんな時に呑気にモグモグするな!!
『何で急にっ、』
ぶわあ、と顔を赤くさせる私に対してまたもや余裕そうに口元を緩める角名はその綺麗な指先で私の頬に触れる。
「だって俺の事無視する癖に、治にあーんなんかしてもらってたからムカついて」
『っはあ!?角名が言える事じゃなくない!?っていうか私怒ってるんですけど!?』
「そんな真っ赤になって可愛い顔してるのに?」
『〜っ角名のアホ!!バカ!!本当にもう知らない!!』
「あー、ごめんってば」
耐えきれなくなって机に思いっきり伏せる私の頭を優しく撫でながら謝る角名の声は絶対楽しんでいるから、もう絶対許さない!!と心に誓った。
……けれど何だかんだで私の扱いを心得てる角名にどうせ私は負けるんだろうなって心のどこかで分かっていた私だった。
ー
320人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゅな - すなくんが大好きなのでとても嬉しくてきゅんとしました!!!この作品のおかげで悩みが吹っ飛びました!!初コメ失礼致しました!作者様尊敬します!!! (4月21日 22時) (レス) @page4 id: 231c051d6b (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - ポンコツさん» 読み直しにきてくれたのですか!?ありがとうございます…!まだ分かりませんがいつかまたハイキュー書けたら良いなと思っているのでその時にはぜひまた読みに来てください☺️応援ありがとうございます!! (2022年10月20日 9時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
ポンコツ(プロフ) - 以前読みましたが久々に読み直してました!まありさんが書くキャラクターの性格?雰囲気?がすごく好きです!もし今後気が向いたら私推しの影山、牛島、木兎を書いてほしいです(´°ω°`)それ以外でも今後何か更新されたら見にきます!これからも頑張って下さい☆! (2022年10月16日 19時) (レス) @page50 id: 16f55af0f9 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 妃嶺さん» そんなに楽しんでいただけたのなら良かったです( ; ; )!わーっ!!ありがとうございます!これからもキュンさせられるように頑張りますー! (2021年12月12日 1時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
妃嶺 - 最後まで読まさせていただきました!最初から最後までキュンキュンして、現実であれば最高なのにな〜って、気づけばお話の中に入り込んでました!他のお話も読まさせていただきます。これからも頑張ってください! (2021年12月11日 12時) (レス) @page50 id: e817c59b7b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まあり | 作成日時:2021年11月12日 21時