仮病 ページ31
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「じゃあお母さん、仕事行ってくるからねー！仮病使っているとしてもちゃんと病人らしくしているのよー！」
『……、』
結局、私は次の日休んだ。
今のセリフを聞けば分かると思うがお母さんはそういう事は厳しくもなく。寧ろたまには良いんじゃない？とノリノリで学校に電話をしてくれた。
………酷い腹痛でトイレから1秒も離れられないと言って。
『まあ、休めたからいっか』
玄関で鍵が閉まる音を確認してから、私はポスッと自分のベットに横になる。
…昨日、個性を使って逃げ出してから。教室に戻るとお弁当箱は私の机に置かれていて。
きっと爆豪くんが置いておいてくれたんだろうなって。追いかけて来た時手に持ってくれていたし。
だけど、その日爆豪くんは来る事はなかった。
放課後、来るかと思って急いで帰る準備をしていたのだが。あの声は聞こえる事もなく。無事家に着いたのだ。
しつこくきていたはずの連絡も、一切なし。
『………まあ、そうだよなぁ、』
追いかけて来たものの、私の個性はただのうさぎ化だし。弱くて使えない。勝利が欲しい爆豪くんの興味は削がれたのだろう。逃げる私に愛想を尽かしたのだろう。
…たった1日。然れど1日。
本当にそうかは分からないけれど、もうそういう事なんだと思うと何だか辛い。
ボーッと見つめる天井がだんだんと歪み、ポロッと何かが流れ落ちた。
これを望んでいた。分かってた。苦しくて悲しい事くらい。
好きだ、爆豪くんが。
大好きだ。
本当は爆豪くんの気持ちに応えたかった。爆豪くんの言葉のその先を知りたかった。
だけどその勇気が私にはなかった。
こんなメソメソして弱虫な私なんか、爆豪くんの性格上苦手な部類だろう。
興味がないだなんて嘘。迷惑だなんて嘘。
いつも逃げ出してごめん。手を振り払ってごめん。
……追いかけて来てくれて、ありがとう。
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まあり(プロフ) - ｒｉｓａさん» わーっ！！嬉しいお言葉！！ありがとうございます〜！！ぜひぜひ楽しんでってください！ (2022年8月17日 20時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
ｒｉｓａ - まありさんの作品ハマりました！気がついたらずっと見てて時間があっという間に過ぎたという感じでした。最新の作品じっくり拝見しますね (2022年8月17日 12時) (レス) @page41 id: 5efa103072 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあり
| 作成日時：2021年10月4日 13時
