ー ページ35
ー
それより、今は爆豪。
目の前でいつものようにぶすっとしている顔の彼だ。
話って何だろうか。
家から連れ出されてから爆豪とは特に話はしていない。
真っ直ぐにぶつかる視線が少し気まずくて
目を逸らして下を向く。
結局どうして連れて来られたのか分からないし…まともに話すのは久しぶり…な気がする。
勝手に避けていたし…
爆豪だってきっと怒って…
「気分転換くらいにはなったかよ」
『え、』
聞こえてきたのは怒ってもなく、冷たい声でもなく。ただ爆豪のいつもの声。
そして。
ぽすっと。不意に頭に乗った重さと鼻腔をくすぐった爆豪の匂い。
優しい手つきで撫でられた頭。
私の頭に爆豪の手が乗った事には驚いた。
けれど、もっと驚いたのは…
『……ばくご、う』
顔を上げるとぶつかった視線。
だけどその瞬間。
「悪い、嫌なんだよな」
パッと手を離して、今度は爆豪が目を逸らした。
あ、この前避けたからか…
別に嫌なわけじゃ…
それに今のは別に避けたわけでも振り払ったわけでもない。
ただ、驚いた。
自分に。
だって、
「アホ面んとこ戻るぞ」
『アホ面？』
「金髪の」
…だって。
爆豪の手に撫でられて、
正直、すごく…
心地良かったから。
もっと触れて欲しいと、そう思ったから。
『あぁ、何でアホなの？』
私はそんな気持ちを静かに心の奥底にしまって。私より大きく広い爆豪の背中を追った。
ー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 441人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まあり(プロフ) - 冬海さん» わぁぁっ読んでくださりありがとうございます（ ; ; ）コメントもとても嬉しいし励みになります…！ (2021年7月22日 20時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
冬海 - 続編とってもうれしいです、これからも頑張ってください！ (2021年7月22日 18時) (レス) id: cc011a7ffe (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 愛留さん» 嬉しいですーっ！！読んでくださりありがとうございます（ ; ; ） (2021年7月12日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
愛留(プロフ) - いつも読んでます！続き楽しみにしてます！ (2021年7月12日 8時) (レス) id: 7830b54e4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まあり
| 作成日時：2021年7月9日 22時
