宮くんが可愛いと言ったらしい。2【宮治】

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「ん」


『え、と…どうしたの？』


「やっぱ小さいなあ。ほんで柔らかい」


『え、え、』



にぎにぎと私の手をその大きな手で包み込む治くん。



「Aちゃんの手、好きや」


『え』



何で

私は

今

治くんに


手を


握られてるの？


しかも今度は、指を絡められて。

治くんの指の間に私の指が簡単に絡められる。


治くんの手に何回か握られた事はあるけど、こんな密着するのは初めてで少し…いやいや。もうだいぶ、恥ずかしい。



「ん。この左手貸しといてくれんなら勉強しといて」


『え？』



それはアレですか？

つまり私が勉強している間、私の左手はこのままって事ですか？



「……」


『……』



オーバーリアクションせず。落ち着いて。

気を確かにもって、シャーペンをノートに走らせていくが数秒も持つはずがない。


チラリと左手を見れば、飽きずに私の手を何度も握る治くん。すごく満足そうな顔してる。


かっ…可愛すぎか…！！

私の手がお気に召したようなら、私も嬉しい。

嬉しいけども！！



『…………帰ろっかな』


「お、ほんま？」


『…うん』



小さな声でボソッとそう言えば、なぜか瞳を輝かせる治くんに頷いて教科書やノートをカバンに入れていく。


こんなので集中出来るはずがない。


無理無理無理。

図書室出たら発狂しそう。

鼻血も出そう。



「あ、ほんならさ、駅前にな、美味しいドーナツ屋さんあんねん。一緒に行かん？」


『うん行こうぜひ行こう』



……あぁ、もう。


今日は命日かもしれません…







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