宮くんが可愛いと言ったらしい。2【宮治】

答え合わせ ページ16

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『宮治くん！！ちょっといいですか！！お話があります！！』



その日の昼休み。


私はチャイムが鳴った瞬間、ダッシュで隣のクラスへ行きドアを勢いよく開けて彼の名前を呼んだ。何か、この感じ久しぶりな気がする。



「お、Aちゃんや」



もう既におにぎりを取り出していた治くんがこちらを見て、それはもう天使のような笑顔を向けるから相変わらず私の心臓を簡単に撃ち落とす。でもこれでも耐性はできた方だ。


私は治くんの所へズカズカと歩いて行くと



『ご飯なのにごめんね！！スナくん！！ちょっと治くん借ります！！』



と軽く頭を下げて治くんのセーターを摘む。



「おーいってらっしゃい」



ヒラヒラと手を振るスナくん。


治くんはなぜか「おお、積極的やんな」と嬉しそうにニコニコしている。



A、今から頑張ります。

恥を捨てて、踏ん張ります。

目標は逃げ出さない事。


教室から出てそのまま廊下を進む。

セーターは掴んだままだと伸びちゃうといけないから離した。


周りからはヒソヒソ声が聞こえてくる。

視線もかなり痛い。


「どうせ振られるんだよ」みたいな同情の眼差しすらも向けられている気がする。



…でもまあ今はそんな事はどうでもいい。



「どこまで行くんー？」



しばらく歩いて、人気のない廊下の端。

治くんにかけられた声に私は足を止めて、振り返る。



「ん？どしたん？」



……はぁ、かっこいい。

もはやこれはもう顔面凶器よ。


…じゃなくて。



『治くんに、聞きたい事があります！』


「おん、ええよ？」



私が考えたって治くんの考えが分かるはずない。



『正直に答えてね？』


「おー」



それなら侑の言う通り、後悔する前に本人に聞いた方が良い。

静かに鳴っていた心臓は段々と速まって、緊張、して体が強張っていく。



『…………治くんは』



私にしては小さい声。


だけど幸いここは静かな空間だから簡単に届く。








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