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「ほんっまにありえへん…」
『いいじゃんもう過ぎた事だよ』
「どうせお前やろ!!言い出したんは!!」
『いや、治くん』
「サムっ!!あいつ…っ!!」
くうう、と何とも悔しそうな声で頭を抱えて、私の隣に腰を下ろした侑。
相当恥ずかしかったみたいで、私は心の中でほくそ笑んだ。
「あ、そうや」
『ん?』
いきなりばっと顔を上げた侑は何やら真剣な顔して私を見つめるから、若干引き気味に私も侑を見る。
「ずっと聞こうと思ってたんやけど」
『うん』
「何で急にサムにアタックしようと思ったん?」
『へ?』
まさか侑にこんな事聞かれるとは思っていなくてついアホっぽい声を漏らす。
ついでに侑の瞳に映る私もアホっぽい顔をしているであろう。
だって侑とは恋バナなんてしないし治くんの話すらもあまりしない。
それなのにこんな急に、驚くに決まってる。
「だって前から好きや言うとったけど前は全く話しかける事なんかせんかったやんか」
何でアタックしようと思ったか…か。
私は少し前の記憶を引っ張り出して、きっかけを思い出す。
えっと…
『………ああ、思い出した!あれだ』
「おん」
『誰かが宮くんが私を可愛いって言ってたって聞いて、もちろん侑なわけないじゃん?治くんじゃん?だからこれはチャンスだと思って!』
そうだ。
前にも言った通り、誰かから聞いたんだ。
だからここで私をアピールするチャンスだって。
治くんが私を知ってくれているならこんなチャンス逃すわけにはいかないと思ってて…
侑にドヤ顔でそう言えば「ふーん」と自分から聞いたくせに興味をなくしたように返事される。
『じ、自分で聞いたくせに!』
「あーいや」
いや、興味がないというより私の言葉に何か考える素振りか。顎に手を当てて、「うーん」と唸る侑になぜか嫌な予感。
『……な、何、変な事言い出さないでね?』
「変な事っちゅうか」
『……い、いや待って!!言わないで!!何か聞いちゃいけない気がする!!』
「はあ?何言うとんの」
『だって、』
「多分可愛い言うたの俺やって話やで?」
聞かなければ良かった。
言わなければ良かった。
即座にそう後悔して、それから私は侑に脳天チョップされるまでフリーズしていた。
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ちかな(プロフ) - 一気に読んでしまいました( ; ; )胸がいっぱいです、、、本当に最高でした!!キュンが止まりません!治くんがデレデレ甘えん坊なのがもうたまらなくよかったです! (8月1日 22時) (レス) @page34 id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
ちかな(プロフ) - 一気に読んでしまいました( ; ; )胸がいっぱいです、、、本当に最高でした (8月1日 22時) (レス) @page34 id: 94bbb03075 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - バボさん» あーーっとても嬉しいです…!!素敵な治くんがかけていたのなら良かったです!私も侑くんとの絡みはとても好きです!笑 こちらこそ読んでくださりありがとうございました!! (2021年8月18日 6時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
バボ - 全部読みました!!とっても面白かったです!治くんがかっこよくて優しくて最高でした。幸せになってね!侑くんとの絡みがめちゃくちゃ好きです…長々とすみません ありがとうございました! (2021年8月18日 1時) (レス) id: f5aeefa10b (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - あさなさん» 一気読み…!!嬉しい!!こちらこそ見つけてくださりありがとうございます( ; ; )!! (2021年7月13日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年6月20日 10時