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『ひっ……治くん！』
「ひって何やねん」
私の反応を見てクスクスと笑う治くんは両手にパンやおにぎりをたっくさん抱えていて、今日も勝ち取ったみたいだ。
『うわぁ、いっぱい買ったねぇ』
「おん、これでも足りないくらいや」
『えっ！すごい！でもたくさん食べる人って素敵だよね！私、見てるのもめちゃくちゃ好きなんだけど、治くんの食べっぷりとか見てて気持ち良いから大好きなんだよねー』
治くんも来たから、私も机にお弁当を広げてお箸を手に持つ。
良いよね、たくさん食べる人。
それも治くんみたいにめちゃくちゃ美味しそうに食べる人なら尚更。見ていてほっこりするしずっと眺めてたいもん。
「Aちゃんのそれ、治に対してぴったりな口説き方だね」
『ん？』
スナくんの言ってる事が分からなくて、適当に返事をしながら卵焼きを口に運ぶ。
『んーうま、』
うちの卵焼きって甘いんだけど。毎日食べてるのに飽きないんだよねぇ。不思議。
「Aちゃんの食べ方も俺は好きやで」
『そう？普通じゃない？私』
モグモグと次から次へとパンを口に運ぶ治くんの頬はパンパンで。それはもうキュートっす。
『あ、そういえば侑が数学借りに来るって言ってたよ』
「また？ツム返してくれへんから嫌や」
『あー、たまには怒りの鉄槌下した方がいいよあんなやつには』
「Aちゃん、本当侑には容赦ないよね」
『私に優しくして欲しいなら性格叩き直して出直して欲しいね』
なんていつもと何ら変わらない会話でお互いに笑いながら昼休みも終わる時間になった時。
教室に帰ろうとした私に、スナくんに「頼る、はしなくてよかったの？」と指摘されて焦った私。
『ちょ！治くん！足が速くて体力のある治くん！お願いがあるんだけど！私、ミルクティーが飲みたくて……しょうがないなあ？』
って、確か調べた時のポイント部分に語尾を弱くしてくねくねしろって書いてあったからその通りやったんだけど。
「もしかしてトイレか？ミルクティー飲みたいのにトイレ行きたいとかいう究極の選択やんな！分かった俺が一走り行ってくるで」
って。スナくんは大爆笑。冷静になった私は、あんな優しい治くんをただのパシリに使ってしまったと自己嫌悪に浸った。
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まあり(プロフ) - ♪神夜さん» わーっっ！！！お褒めの言葉ありがとうございます！そしてコメも！嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (2021年6月19日 20時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
♪神夜(プロフ) - とても面白いです。読んでいて明るくなる、好きな小説です。これからも更新頑張ってください！ (2021年6月19日 19時) (レス) id: 3e91c9a35c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあり
| 作成日時：2021年6月9日 21時
