もし恋人になったらアピールするべし ページ47
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『んー、私がもし恋人になったら毎日食べ物あげる！』
「ほーん」
『お弁当も作ってくる！』
「おん」
『それで…えっと、お菓子あげる！』
「おん」
休み時間の治くんの教室。
いつものように治くんの隣の席から椅子を借りて治くんにもし私が治くんの恋人なったらどんな特典がついてるのかアピール中。
「ほぼ餌付けじゃんそれ」
『だ、だって、治くんの喜ぶ事、これくらいしか思いつかないし…！！あ！！あとバレーやってるのめちゃくちゃ応援する！！全力でサポートする！！』
だけど思ったよりうまくアピールできなくてさっきから『あの、』とか『えっと』ばかり。
スナくんにはさっきから鼻で笑われている。
『そんなに笑うスナくんならどうやって売り込むのよ！』
難しいんだから！
私には特にこれといった特技もないし！
スナくんは「んー…」と数秒考えると、治くんの方へ体を向けて机に頬杖をつく。そして。
「全力で癒しを提供するよ」
語尾にハートが見えるくらい、甘い声でそう言った。
『うっ……さすがスナくん…！！』
私には真似できない！！
だって治くんに癒しなんて提供できる自信なんてない！！
『あっ、肩くらいなら揉めるよ！？』
「奉仕じゃん」
『腰もマッサージする！あ、何なら食事洗濯、その他諸々！何でもする！』
「家政婦じゃん」
私を見ながらケラケラと、楽しそうに笑うスナくんに私はグッと唇を噛む。
く、悔しい…！！
何だろうこの、男に負けたという敗北感…！！
癒しってそんなに価値がすごいのか！！
するとそこで、私とスナくんの会話を今まで黙って聞いていた治くんが口を開いた。
「んー……俺は別に何かしてくれなくても好きな子が隣におってくれるならそれだけでええよ。それだけで幸せや」
ぼーっとしているような視線を、私へ向けるとふわり、優しく笑いかける治くん。
そんな治くんに私は
『じゃあ、アレだ…、治くんの彼女になった子はもっと幸せだね………あ…やば…鼻血出そう……スナくん…ティッシュ、』
当たり前にギュンっと心臓を貫かれて、しばらく悶え転がった。
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まあり(プロフ) - ♪神夜さん» わーっっ！！！お褒めの言葉ありがとうございます！そしてコメも！嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (2021年6月19日 20時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
♪神夜(プロフ) - とても面白いです。読んでいて明るくなる、好きな小説です。これからも更新頑張ってください！ (2021年6月19日 19時) (レス) id: 3e91c9a35c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあり
| 作成日時：2021年6月9日 21時
