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「俺は何もしてないよ」
「おん、見とった」
『……え?』
気のせいかな?耳元で聞こえる声が、治くんの声な気がするのは。
「Aちゃんに聞いとんねんけど」
『…………え?』
「治、ダメだよ。多分Aちゃん思考がどっかいっちゃってる」
スナくんの言う通り。
ちょっと待って、頭が…
「おーい」
ぼーっと目の前のスナくんを見つめていれば視界は遮られ、目の前には胸板。
少し視線を上げればすぐそこには治くんの顔。
『ひっ、』
と、声を上げて後退りしようとするも。治くんの腕がそうはさせてくれなくて。
……え?そうさせてくれないって何?
よく見れば、治くんの腕は私の腰をガッチリホールドしている。
「そんなお化け見たみたいな顔すんなや。たまにそういう顔するんよな。Aちゃん。傷付くんやで?」
『え、ご、ごめん、』
眉を下げる治くんに咄嗟に謝る。
『だ、だけど、この体勢は何!?近さはどうして!?』
だって、分からない。
何でこんなに近いの!?
私と治くんの顔の距離は今までにないくらい近くて、おまけに体は密着していると言える。
こんなの、焦ったっておかしくないでしょう。
心臓が速くて、うるさい。
顔だって、熱い。
だけど治くんはそんなの知らんぷりで。
「俺には触らんくせに、スナの手握るからやんか」
少し拗ねたように口を尖らすと、そんな事を言う。
「目の前に好きな奴おるんやないのー?それなのに他の奴なんか触るんかー?」
え、ちょ…待って。
そんな言い方…だと…
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まあり(プロフ) - ♪神夜さん» わーっっ!!!お褒めの言葉ありがとうございます!そしてコメも!嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします! (2021年6月19日 20時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
♪神夜(プロフ) - とても面白いです。読んでいて明るくなる、好きな小説です。これからも更新頑張ってください! (2021年6月19日 19時) (レス) id: 3e91c9a35c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年6月9日 21時