いざ、球技大会 ページ32
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『侑!勝ったらジュース奢る!』
「ジュースとかケチくさい事言ってないで飯くらい奢れや!それに今からお前も出るんやろ!」
『いやいや、私はもうドジるの嫌なのですぐに当たって外野に行きます』
球技大会当日。
女子バスケの試合は終わり、
今はドッジボールの決勝。
バスケの試合?
もちろん勝った。
…と言いたいところだが。最後、相手チームのシュートの時。ディフェンスについていた私が盛大に転け、逆転で負け。
二位という結果に終わった。
ほらね。ドジなんですよ私は。
「何言うとん!?相手はサムのクラスやぞ!」
『うっ…、』
そう。ドッジボールの決勝に残っていたのは治くんとスナくんのクラス。
試合の準備をしている間、コートで待機している私達の目の前で。まるで獲物でも捕らえるかのようなギラギラとした目つきで私達を見つめる相手のクラス。
怖いんだけど!!何でそんなに敵対心燃やしてるの!!
それに対して侑は「まーたお前らいるんか!まあ結果は見えてんねんけどな!」と、まるで挑発するような言葉を投げる。
……あぁ、どうやら去年コテンパンにした人達が相手のクラスにいるらしい。
だからあんな、暗殺者みたいな顔で……、
私の命は今日ここで尽きるかもしれないと、短く息を吐いた時。
「Aちゃん」
とすぐ後ろで聞き慣れた声がして、振り向く。
『んお、治くん、』
振り返って見上げれば、そこにはやはり治くん。ジャージ姿の治くんも実に最高である。
侑なんか半袖半ズボンの元気小僧だけどね。
『どうしたの?』
そう聞けば、治くんはその形の良い唇を開く。
「じゃあさ、もし俺がツムに勝ったら今度一緒に出掛けてや」
『……え?』
特に大きくも、小さくもない、声。
それなのに、私の鼓膜には大きく響いて。
ポカーンと口を開ける。
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まあり(プロフ) - ♪神夜さん» わーっっ!!!お褒めの言葉ありがとうございます!そしてコメも!嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします! (2021年6月19日 20時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
♪神夜(プロフ) - とても面白いです。読んでいて明るくなる、好きな小説です。これからも更新頑張ってください! (2021年6月19日 19時) (レス) id: 3e91c9a35c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年6月9日 21時