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「それに鬼ごっこはツムと飽きるほどしてるんや」



あれか!!宮ツインズの兄弟喧嘩とかか!!侑の借りパクとかか!!

ゴォォォォッと聞こえてきそうなほどの迫力で、迫って来る治くん。


決して私は運動音痴なわけではない。

寧ろ運動は好きな方だ。


だがしかし。



『いやぁぁぁっ、ちょ、ほんと、タンマ!!ステイ!!治くん!!』


「待たへん」


『ちょおおおっ、えっ、ちょ、ま、じかっっぁぁぁあっ!?!?』



ドテッ


そんなような音だった。

鈍い音が響いて、体全身に痛みが走る。


外に出ていなくて良かった。

床で良かったと心底思う。



『いっっったぁぁ!!!』



運動は好きな方だ。

だがしかし。



「そこ何もあらへんかったよな!?」


『痛い!!』



この、ドジがなければの話。


「大丈夫か?」と差し出された治くんの手を、素直に貸してもらいゆっくりと立つ。


そう。運動神経はいい。ある程度のスポーツはできるし、足だって速い方。


だけど今見ただろう。

私は今、何もないツルツルの床で盛大に転んだ。


……意味、分かんないよね。

本当に残念な運動神経。自分でも思う。



「怪我は……なさそうやな」


『でも、痛い、』



擦り傷よりも、体を打った感じ。

今までも何度かあるけど、さすがにこれは慣れない。



「おん、痛そうやったな」



サッサっとスカートを軽く払ってくれる治くんにお礼を言って、自分でも制服を少し整える。



……結局、捕まった。

というか、追いつかれた。

というか、自爆したよね。


何分ももたなかった…

逃げ切りたかったのに…


逃げ切って、今日は治くんに会いたくなかったのに。


…だって、ほら。









「……で、何で泣いとるん?」


『……、』



もう逃がさない、というようにいつの間にか私の右手を優しく握る治くんは眉を下げ私の顔色を伺うように聞いてくる。


治くんに、手を握られている。

いつもなら鼻血もの。失神するかもしれないレベル。

だけど今は、そんな高鳴りはどこにもなくて。

今すぐに逃げたい、それだけ。



『……』


「んー……ちょっとこっち」



口を結ぶ私に、治くんは何を思ったのか私の手をそのまま引いて人通りのない校舎の端の方へ。







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設定タグ:ハイキュー , 稲荷崎 , 宮治   
作品ジャンル:アニメ
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まあり(プロフ) - ♪神夜さん» わーっっ!!!お褒めの言葉ありがとうございます!そしてコメも!嬉しいです!これからもぜひよろしくお願いします! (2021年6月19日 20時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
♪神夜(プロフ) - とても面白いです。読んでいて明るくなる、好きな小説です。これからも更新頑張ってください! (2021年6月19日 19時) (レス) id: 3e91c9a35c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まあり | 作成日時:2021年6月9日 21時

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