好きな匂いをつけるべし ページ16
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『ぐあっ……やっぱり苦手だ…』
「何お前の癖に香水なんてつけてんねん」
『私の癖にって何さ！ってか、顔近付けてくるな！』
匂いを嗅ぐためか、膝を曲げて私に近寄る侑をググッと手で押し退ける。
今日は治くんの好きな匂いで気を引こう作戦。
スナくんに聞いた治くんが好きそうであろう香水の香り。本人から聞いたわけではないし、何なら多分スナくんのただの勘。
しつこすぎない甘い香り。
……だけど私、香水あんまり好きじゃないんだよね。
柔軟剤とか石鹸の匂いの方が断然好き。
「サムの為っちゅーなら、多分食べ物の匂いとかつけておいた方が釣れるで」
『…あ、確かに。………って誰がそんな事するかあ！！とりあえず行ってくる！！』
今完全に頭が『確かにそっちの方がいいかも』って思ったわ！！
私は侑にベッと舌を出すと、急いで治くんのクラスへ。
『おーさむくん！』
ドアを開けて見渡せば、いつも通り席でおにぎりを食べている治くんがこちらへ手を振る。もちろんスナくんも一緒だ。
『今日は何おにぎりですか！』
「鮭」
『お！いいね！美味しそう！』
小走りに近いスピードで、二人の元へ駆け寄ればスナくんが「あれ、」と言葉を溢す。
おや、スナくん気付いてくれたか？
私のこの、女の子らしいにお……
「何か背中に120円シール貼られてるよ」
『…え？』
スナくんが私の背中からペラッと剥がしたシールを指先につけてこちらへ見せる。
本当だ。そこにはよく惣菜パンなどに貼られているような数字が書かれた小さなシール。
『………あんの、』
……こんな事するのは、あいつしかいない。
しかも、さっき私に無駄に近付いてたしなぁ？
「もしかしてまた侑？」
『何笑ってるのスナくん！許すまじ…！宮侑…！！』
ふるふると力を込めて固く拳を握る。
「そういえばこの前は半額シールも貼られてたよ」
『え！？私知らないよ！？そんなの！！いつ！？』
「あーいやいつかは忘れたけど、治が無言で取ってた」
『え…さすが治くん。惚れる』
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まあり(プロフ) - ♪神夜さん» わーっっ！！！お褒めの言葉ありがとうございます！そしてコメも！嬉しいです！これからもぜひよろしくお願いします！ (2021年6月19日 20時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
♪神夜(プロフ) - とても面白いです。読んでいて明るくなる、好きな小説です。これからも更新頑張ってください！ (2021年6月19日 19時) (レス) id: 3e91c9a35c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まあり
| 作成日時：2021年6月9日 21時
