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「ん」
『…ん?』
「来て」
『……』
「風呂入ったから!」
『……ええ』
「…怒ってる?」
私と同じ、黒のスエット。
いつものふわふわのピンク色の髪の毛は萎れている。
多分ドライヤーなんてかけずに来たのだろう。
そんな貴大くんは私のすぐ後ろで両手を広げていて。
貴大くんの言いたいことは分かってる。だけど、
『べーつにー?怒ってないけどー?』
わざとらしくそう言うと、貴大くんは分かりやすく眉を下げて腕も下ろす。
ごめんって。ちょっとからかっただけだからそんな顔しないで。
『うそうそ、はい、ぎゅー』
振り返って貴大くんの背中に手を回して抱き着くと、今度はちゃんと貴大くんの匂いがする。
『ん、好きな匂い』
「Aちゃんも、俺と同じの使ってるはずなのになんか違う匂いで好き」
『そ?』
「うん」
貴大くんの腕も私を包んで、ぎゅうっと力が込もる。
『合コンってやつは楽しかった?』
「ううん、全然。もう絶対行かない」
『そっか』
「うん」
本当に私に会いたくなってくれていたのか、隙間がないくらいのハグは貴大くんの体温がよく分かる。
「んー…Aちゃん好き」
耳元で聞こえる声に、心臓が鳴る。
私も好きだよ。大好き。
言葉で言い表せないくらいに好き。
「好き。ちょー好き」
『ん、私も好きだよ』
私は貴大くんの胸から顔を上げて背伸びをし貴大くんの首に顔を寄せると、そこにちゅっと小さくキスを落とす。
「ん?なあに」と腕を緩めて私を見下ろした貴大くん。だけど構わず。もう一度首に自分の唇を押し当てる。そして、舌で濡らして吸い付いた。唇を離せば、そこにくっきり見えたのは赤い印。うん、上出来。
『……やっぱりキスマーク、つけとくべきだったかな』
今つけても遅いだろうけど。独占欲ってやつで、つけたくなってつけちゃった。
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まあり(プロフ) - 黒瀬将哲さん» ちゃん付け!確かにそんなイメージあります!気にいっていただけたみたいで良かったです…!こちらこそ見つけてくださりありがとうございました( ; ; )! (2022年4月4日 21時) (レス) @page50 id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲(プロフ) - マジでヤバかったです!もち、良い意味で!貴大くんがもうかっこよすぎて、所々深呼吸してました笑あと、めっちゃ共感したところなんですけど、貴大くんは「○○ちゃん」って呼んでますよね、絶対!本当に本当に尊くて最高なお話でした!!ありがとうございました!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page50 id: 255371873d (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 冬桜さん» わーっ!!!解釈違いが起こらなくて良かったです…!こちらこそ読んでくださり、嬉しいコメントまでありがとうございます( ; ; )! (2022年2月24日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 女主が攻めたりって今まであんまりなかったので嬉しいです!!可愛いマッキーが解釈一致すぎて…!!!!ありがとうございますありがとうございますありがとうございます (2022年2月24日 16時) (レス) @page50 id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - しおきゃらめるぱふぇさん» ううう、嬉しいです…( ; ; )ありがとうございます! (2021年8月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年5月31日 18時