砂糖水【花巻貴大】

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「見て見てー！今日花巻先輩調子良さそうだね〜！」


「ね！かっこいいー！」



……ほら。

三年生の間では私と花巻先輩が付き合ってる事は広まっているらしいけど、一、二年ではあまり知られていない。


私も国見くらいにしか言ってないし。

まだ付き合ってそんなに経ってないし、そんなもんなんだろうけど。



「あの笑顔癒されるよね〜」


「分かる〜、あ、見て！国見くんとハイタッチしてる〜！」



……良い気はしないわけで。



『……ふん、』



無意識に口を尖らせて、コートに視線を戻せばピンク色の髪が見えて今度は思わず口元が緩む。


やっぱり、バレーやってる時が一番かっこいいなぁ…


見て、あの少し子供っぽくなる無邪気な笑顔。コロコロ変わる表情。

……可愛すぎでしょ。


きゅん、と鳴る心臓をおさえながら花巻先輩を見ていれば。花巻先輩の視線がギャラリーに上がり数秒後彷徨った後。私を見つけた花巻先輩はニカッと笑ってピースサインをする。



『っ、』



わ、たし…だよね？



「今こっち見なかった！？」


「ねっ！ピースしてた！」


「やばーい！」



一瞬だけだったけど、それは確かに私に向けられたもの。……だったはず。



『あー……もうズルい。せんぱい、』



一気に顔が熱くなって、手で仰いだ。



その数秒後、何でか知らないけど及川先輩にウインクとダブルピースもらった気がしたけど無視して花巻先輩を見つめた。









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