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「だからさっき、及川と話してて照れてるAちゃん見て及川の事好きなんじゃないかってすっげー焦った」
『へ、』
「俺のが仲良いはずなのに、そんな顔、見た事なかったから、」
『あれは花巻先輩を好きでしょとか言われて』
「うん、さっきAちゃんに好きって言われて本当に安心した」
どうしよう、
すごく、嬉しい
夢みたいだ
だって今、花巻先輩、私の事好きって。
『……一応確認、ですけど…後輩としてですか?それとも、』
「女の子として好き」
私が言い終わる前に被せてそう言った花巻先輩はすごく、嬉しそうで。
「ね、だからもう近く行ってもいい?すげー抱き締めたいんだけど」
うずうずしながらも律儀に私に確認をとる花巻先輩にコクリと頷けば、さっき近づかない方がいいと保った距離を簡単に縮める。
そして、私のすぐ目の前まで来てその長い腕を背中へ回すとぎゅうっと。私を抱き締めた。
「ちなみに、聞くけどAちゃんの好きは先輩として?それとも俺と同じ?」
その言葉に私は、花巻先輩と同じ好きだと、ぶんぶんと上下に頭を振る。
「いや、どっち」
…あ、笑ってる。
頭上で聞こえた喉を鳴らして笑った声に、きゅんと心臓が疼く。
顔が見たい。
そう思って、花巻先輩の胸に埋めていた顔を上げて花巻先輩を見上げると「お、」とそれに気付いた花巻先輩も私を見下ろす。
って、思ったより近かった…
恥ずかしい…
カァッと顔に熱が集中していくのが分かるけれど、なぜか目を逸らしたくなくて。
「ふは、真っ赤」
目を細めて笑う花巻先輩を見つめる。
はぁ、好きだ。
心臓、痛い。
ドキドキする。
最初は、こんなつもりなかったのになあ…
正直、水をかけられてタオルを貸してもらった時。そのタオルを返して終わりだと思ってた。というか、二つも年上の先輩とは関わる気はなかったから。そうするつもりだった。
笑顔で話しかけてくれる先輩に、嬉しそうに私の名前を呼んでくれる先輩に、いつの間にか惹かれてて…
好きに、なってた。
『花巻先輩』
「ん?」
『私の好きは、花巻先輩と同じ好きです』
先輩と同じように、私も先輩の背中に手を回して力を込める。
そして花巻先輩の笑顔を見て満足したから、また胸に顔を埋めてぐりぐりと擦り寄る。
全部伝われ、って思いながら。
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まあり(プロフ) - 黒瀬将哲さん» ちゃん付け!確かにそんなイメージあります!気にいっていただけたみたいで良かったです…!こちらこそ見つけてくださりありがとうございました( ; ; )! (2022年4月4日 21時) (レス) @page50 id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲(プロフ) - マジでヤバかったです!もち、良い意味で!貴大くんがもうかっこよすぎて、所々深呼吸してました笑あと、めっちゃ共感したところなんですけど、貴大くんは「○○ちゃん」って呼んでますよね、絶対!本当に本当に尊くて最高なお話でした!!ありがとうございました!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page50 id: 255371873d (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 冬桜さん» わーっ!!!解釈違いが起こらなくて良かったです…!こちらこそ読んでくださり、嬉しいコメントまでありがとうございます( ; ; )! (2022年2月24日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 女主が攻めたりって今まであんまりなかったので嬉しいです!!可愛いマッキーが解釈一致すぎて…!!!!ありがとうございますありがとうございますありがとうございます (2022年2月24日 16時) (レス) @page50 id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - しおきゃらめるぱふぇさん» ううう、嬉しいです…( ; ; )ありがとうございます! (2021年8月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年5月31日 18時