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次の日、洗濯を終えたタオルを届ける為に三年の階へと足を運ぶ。
チラチラと見られるのは多分、物珍しいのか。
まあ、一年だしね私。
あ、そういえばクラス聞いてないじゃん。
しょうがない一クラスずつ見て行くしかないか、なんて思っていると。
「あ、昨日の、」
とすぐ後ろで声がして、振り返ればそこにはまたもや巨大な壁。
黒髪の大人っぽい人だ。
昨日の今日で、さすがに覚えていてくれたのか。その人はまだ何も言っていない私に「あ、花巻ね。ちょっと待ってな」と言うとすぐそこのクラスに入ってまた戻って来た。
いや戻ってきたというか、私の目の前に来たのはあの人じゃなくて花巻先輩。
「あーわざわざごめんね、ありがと」
『あ、いえ。これ』
紙袋に入ったタオルを花巻先輩に差し出せば「ん?」と首を傾げられる。
「何か入ってるけど、」
『タオル貸してもらったお礼です。ただのチロルチョコなので気にしないでください』
「えっ、そんな良いのに、俺が悪いんだから」
『もしかして甘いの嫌いでした?』
「いやそんな事はないし寧ろ大好きだけど、」
「でも、」となんとも言えないような顔して、首の後ろへ手を回す花巻先輩。
……困らせちゃったか。
どうするべきかと、考える前に。
「あ、じゃあお詫びに俺からも何かさせて?」
花巻先輩は眉を下げて、優しく笑う。
『え、』
「悪いの俺だし、タオル貸したのだって当たり前の事だから。プラス、何かするよ」
ここは、素直に頷くべきだろうか。
だけど、相手は先輩。
しかもあれはただの事故。
わざとでもないのに、そんな事までしてもらっちゃ…
「な?」とコテンと首を傾げる花巻先輩。
少し可愛かったりする。体は大きいのに。
そんな花巻先輩に、私は簡単に心を揺さぶられ。
『…じゃあ、考えておきます』
と返事をした。
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まあり(プロフ) - 黒瀬将哲さん» ちゃん付け!確かにそんなイメージあります!気にいっていただけたみたいで良かったです…!こちらこそ見つけてくださりありがとうございました( ; ; )! (2022年4月4日 21時) (レス) @page50 id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲(プロフ) - マジでヤバかったです!もち、良い意味で!貴大くんがもうかっこよすぎて、所々深呼吸してました笑あと、めっちゃ共感したところなんですけど、貴大くんは「○○ちゃん」って呼んでますよね、絶対!本当に本当に尊くて最高なお話でした!!ありがとうございました!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page50 id: 255371873d (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 冬桜さん» わーっ!!!解釈違いが起こらなくて良かったです…!こちらこそ読んでくださり、嬉しいコメントまでありがとうございます( ; ; )! (2022年2月24日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 女主が攻めたりって今まであんまりなかったので嬉しいです!!可愛いマッキーが解釈一致すぎて…!!!!ありがとうございますありがとうございますありがとうございます (2022年2月24日 16時) (レス) @page50 id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - しおきゃらめるぱふぇさん» ううう、嬉しいです…( ; ; )ありがとうございます! (2021年8月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年5月31日 18時