砂糖水【花巻貴大】

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日曜日のお昼過ぎ。

ジュースが飲みたくて、近くのコンビニへ向かっていると、



「うおっ！」


「すげーじゃん！」


「やるなぁ、ちびっ子〜」


「痛いよ岩ちゃん！！！」



コンビニまでの途中にある公園から、何やらぎゃあぎゃあと聞こえてきた。

最後の言葉を聞けば分かるだろうが、一応横目でチラリと確認してみた所。



「お兄ちゃん達やっぱりでっけー！」


「だろー！」


「ねえねえ今のどうやるのー？」


「あ、今のは」



…………ちびっ子達と戯れているバレー部三年生。


え、何で？

思わず二度見してしまって。


その二回目で、



「あ、Aちゃんじゃーん！」



及川先輩に、気付かれた。



『……』



無視無視。

私には今、飲み物を買いに行くっていう大事な使命が…



「ほんとだ、Aちゃんだー」


『こんにちは、花巻先輩』


「おう、こんちは」



道路を挟んで反対側にいたのに、どんだけ目が良いんだ及川先輩。



「あれ、今俺の事スルーして行こうとしなかった？気のせい？」



と、首を傾げる及川先輩は無視して。


私は道路の反対側、公園の方へと渡って

手を振る花巻先輩の所へ行く。



『岩泉先輩と松川先輩もこんにちは』


「おう」


「Aちゃん、こんにちは」


「あれ？及川さんは？あれ？こんなに無視される事ある！？」


『……………こんにちは、』


「めちゃくちゃ嫌そうな顔してるね！？」



さりげなく、近付いてきた及川先輩と距離をとりつつ先輩達の周りに集まっている小学生くらいの子達を見る。



『部活の帰りですか？』


「そーなんだけど、アイス食ってたらなぜか捕まってね」


『遊んであげてるんですか？』


「ちっげーよ！俺らが遊んでやってんだ！」



ふんっと鼻を鳴らす見るからにガキ大将って感じの男の子が花巻先輩と私の間に入り込んで来る。


「何だとーっ」と、その子の頭をわしゃわしゃと掻き回す花巻先輩は楽しそうで。


子供、好きなのかなって何となく分かる。









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