ー ページ13
ー
『あの、奢ってもらっちゃって、ありがとうございました』
「ん?いーよいーよ、気にしないで。チロルチョコも何回かもらってるし」
塩キャラメルシュークリームを食べ、帰り道。本屋に用事があるとさっさと行ってしまった国見。一緒に行くよと言う前にはもういなくなっていて。
私と花巻先輩は帰る事になり、
今は二人きり。
「どっちー?」
『あ、こっちです』
「ん、りょーかい」
ナチュラルに私の家の方向を聞く花巻先輩は、有無も言わさず送ってくれる気満々らしくて。
私も花巻先輩の優しさに甘えて、何も言わない。
「いやーそれにしても美味しかったなあ」
『ですね、他の味もたくさんありましたね』
「な!今度また行ってみよーかな」
『ほんと好きなんですね』
「まあな。お、どこかの家からカレーの匂いがする」
『ふふ、どこですかね。お腹空きますね』
ほんと。花巻先輩といると話が尽きない。
くんくんと匂いを嗅ぐ花巻先輩は「うん。腹減る〜」なんてまた笑う。
やっぱり、いいな。
先輩のその顔。なんていうか、すごく好きだ。
『…私、花巻先輩といると楽しいです』
「どうしたの急に」
『そんな驚いた顔しなくても』
「いや、だって急だったじゃん!」
『まあ、そうですね。でも、伝えたい時に伝えないとなって思って』
「えー、何それ。俺死ぬの?」
『違いますよ』
眉を下げる花巻先輩にクスクスと笑えば、花巻先輩も目尻をくしゃりとさせる。
ほらまた、知らないうちに心臓を鳴らされる。
『花巻先輩の表情とか、行動とか言葉とか。すごい真っ直ぐに伝わってくるんです』
「そう?」と首を傾げる先輩はきっと自分では分かっていないのだろう。
でも私はそう感じるから。
『だから、私もちゃんと言葉にしないとなって』
そういう風に接してくれる人には私もちゃんと伝えなきゃって思う。
『花巻先輩のお陰で、最近楽しいんですよ私』
「…え」
『たまに廊下で会うのも、お昼休み話すのも』
「…えと、」
『今日だって、誘ってくれてすごく嬉しかったですし、楽しかったです』
いきなりのカミングアウト的な何かに、驚きを隠せないのか、花巻先輩は「え、」とか「は」とか言っている。
あ、やばい。突っ走りすぎたかもしれない。
『あ、すみません、伝えたら止まらなくなっちゃって、』
ー
279人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まあり(プロフ) - 黒瀬将哲さん» ちゃん付け!確かにそんなイメージあります!気にいっていただけたみたいで良かったです…!こちらこそ見つけてくださりありがとうございました( ; ; )! (2022年4月4日 21時) (レス) @page50 id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲(プロフ) - マジでヤバかったです!もち、良い意味で!貴大くんがもうかっこよすぎて、所々深呼吸してました笑あと、めっちゃ共感したところなんですけど、貴大くんは「○○ちゃん」って呼んでますよね、絶対!本当に本当に尊くて最高なお話でした!!ありがとうございました!! (2022年4月4日 17時) (レス) @page50 id: 255371873d (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 冬桜さん» わーっ!!!解釈違いが起こらなくて良かったです…!こちらこそ読んでくださり、嬉しいコメントまでありがとうございます( ; ; )! (2022年2月24日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
冬桜(プロフ) - 女主が攻めたりって今まであんまりなかったので嬉しいです!!可愛いマッキーが解釈一致すぎて…!!!!ありがとうございますありがとうございますありがとうございます (2022年2月24日 16時) (レス) @page50 id: e2ae2aafdb (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - しおきゃらめるぱふぇさん» ううう、嬉しいです…( ; ; )ありがとうございます! (2021年8月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まあり | 作成日時:2021年5月31日 18時