笑って、眉を顰めて、笑って。2【赤葦京治】

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「好き、俺も大好き。ずっと、ずっと好きだった」


『…ん、ありがとう』


「…うん、」


『……』


「…好き」


『…ん、』


「……ね、付き合って、くれる？」


『それ、目見て言って？』



私がそう言えば、赤葦はゆっくりと私を抱き締める腕の力を緩めるから私は赤葦を見上げる。


赤葦の綺麗な瞳と、目が合って。

ずっとこのままでいたいな、なんて。


また、ふわふわと優しい風が吹いて赤葦と私の髪を揺らす。


静かで、穏やかな空間。

聞こえてくるのは互いの声と鳥の囀りくらいで。そんな二人だけの時間がやっぱり好き。






「A、俺と付き合ってください」



今度は大きくも、小さくもないハッキリとした声。緩やかに弧を描く口元は、赤葦の顔に自然と笑みを作っている。



『私なんかで良ければ、よろしくお願いします』



そう言って、ぐりぐりと赤葦の胸板に額を擦り付けてまたぎゅうっと抱き着けば。赤葦も抱き締めてくれる。




……こんなの、幸せじゃない？


好きな人が、私を同じように好いてくれるなんて。こんなにも優しく抱き締めてもらえるなんて。



「めちゃくちゃ大事にする」


『もう既にたくさん大事にしてもらってるよ』


「ううん、もっとする」



うん、幸せだ。



『ふふ、じゃあよろしくね』


「うん」



嬉しさと、ふわふわとした気持ちと、温かい温度。少しだけ早い赤葦の鼓動に。


湧き上がる感情をぐっと静かに噛み締めた。









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