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『今日もいい天気だねえ』
「うん、眠くなるね」
『え、珍しい!』
「んー…昨日ちょっと課題終わらせるのに時間かかっちゃって」
『あー昨日のは難しかったもんね』
いつもの昼休み。
いつもの会話。
お昼ご飯を食べて、座って、お話しする時間。
いつもと違うのは、赤葦が壁に寄っかかって目を閉じてる事くらい。
赤葦は普段はそんな事しない。
寧ろするのは私の方で。
『私の膝枕貸してあげようかー?』なんてふざけて言うけど。
「さすがに生足は耐えられない」
って断られる。
耐えられないってどういう意味よ。失礼な。
私の優しさを綺麗に投げ飛ばしたね。
私は座る向きを変えて、目を瞑る赤葦の方へと座り直すと赤葦の横顔をじっくりと眺める。それに赤葦は気付いていない。
『赤葦まつ毛長いねー』
「…そ?」
『肌も綺麗』
「…ふーん」
『ほんと整ってる』
「……Aも可愛いよ」
『おーありがとう』
本当に眠いのか、赤葦の声はいつもより小さくて、ワンテンポ遅れて返事が返ってくる。
『んー…気持ちいい風ですなぁ』
ふわっと、優しい風が吹いて赤葦の柔らかい髪を揺らす。
高く通った鼻に、形の良い唇。
どこをとっても、整っていて。
赤葦はやっぱりかっこいい。
私に見せる無防備なそんな顔に、ある気持ちが顔を出す。
『ねー赤葦?』
「………ん、」
『赤葦は、何したら怒る?』
「……Aには怒らない」
『そっか』
「…ん、」
『……』
「……」
『……じゃあ、怒らないでね』
そろそろ、甘えるのはやめようかなって。
ずっと、考えてた。
「……ん?」
赤葦が今の私の言葉の意味を理解できるはずもなく、閉じていた瞳が開きそうになった、その瞬間。
『好きだよ、赤葦』
ちゅ、と。小さなリップ音と共に、重なった私と赤葦の唇。
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まあり(プロフ) - 妃奈さん» 最後までお付き合いくださり本当にありがとうございましたぁぁあ…!!あの、コメ等本当の本当に励みになりました!ぜひぜひこれからも楽しんでいただけたら嬉しいです! (2021年6月4日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
妃奈(プロフ) - 完結しましたね(´TωT`)赤葦くんめちゃくちゃ素敵でした…!次の作品も嬉しみにしています!!(´TωT`) (2021年6月4日 6時) (レス) id: ba023e4a89 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 夏雨さん» くっつきましたよおおお!!我慢して頑張って頑張りました赤葦くん!!きっと赤葦くんが幸せにしてくれます!笑 (2021年6月3日 10時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - ハイキュー!!さん» 楽しみにしてくださっているのですか!!すごく嬉しいです!!番外編落としたら完結ですがぜひぜひそれまでお付き合いくださいませ! (2021年6月3日 10時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
夏雨(プロフ) - ああああ!やっと、やっとくっつきましたね!赤葦おめでとう…ヽ(;▽;)幸せになって、!←謎のエンディング感すみません (2021年6月2日 23時) (レス) id: 1f12b442c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年5月30日 21時