私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ10)

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それから数時間後。

みんなが学校へ行った時間を見計らって、いつもの仕事を始める。

『…あ、お皿、』

洗ってくれたのかな…

いつもなら私が片付けるはずの食器は何もない。

そして代わりにあったのは小さなメモ書き。

Aちゃん！ゆっくり休んでね！

と可愛い丸めの字で書かれていた。

麗日さん、優しいな…

休むわけにはいかない…

仕事はちゃんとしないと…

私はぐるぐると考えがまとまらないまま、
サキはどうなるのかという心配を抱えたまま。

いつも通り、仕事をした。

いつも通りとは、少し違ったのは…

みんなが帰ってくる前にはもう、夕飯を作り終えた事。

そして麗日さんと同じように小さなメモに

夕飯はカレーです。温めて食べてください。

と書いて置き、私は自分の部屋へ。

『…はあ、』

爆豪が選んでくれたベットシーツに体を沈ませる。

…どう、しよう。

だって…

会いたくない…

もちろん、それはみんなとじゃなくて。

…サキと。

どうなるのかも、聞きたくない。

もし…私と同じように…なったら…？

サキがここへ住む事になったら…？

そしたら私は…

出て行く…？

いやいやいや、私のこの性格上。無理な事だ。

外へは出れない。出れたとしてもこのコミュ障。

…やっていけないだろう。

そこら辺で野垂れ死ぬのがオチだ。

でも、サキとここに暮らすよりは……

「……………おい」

『……へ、』

見慣れた天井をぼーっと見ながら考えていると、急にドアの外から聞こえてきた声に体を起こす。

「……起きてんのか」

『あ、え……爆豪？』

その声は、爆豪のもの。

「ああ」

『あ、起きてるよ』

「入んぞ」

『えっ、』

私が返事をする前にはもう、ガチャリと音を立てて開いたドア。

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