私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ44)

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って、あれ。

言われた通りついてきたけどさ。

思ったんだけど…

もう夜だよね…？

誰もいないんじゃ…

『ねえ、ばくご……、』

それを爆豪に聞こうとしたのだが。

『………え、』

聞く前にエレベーターのドアが開き、共同スペースが目の前に現れそこを見た私は小さく声を漏らす。

『……何で、』

「はよ歩け」

『あ、う、うん…』

私は言われた通りそのまま爆豪の後を歩きながら、考える。

どうして…

どうして、みんながここに…？

そう。

いつもこの時間はみんなの自由時間。

寝ている人の方が多いはず…なのに。

私と爆豪の目の前には。

なぜか、みんながいた。

「おい、さっさと話せ」

『あ……、う、ん』

話せと言われても、正直何を言えばいいのか分からないよ！！

みんながいると思っていなかったし、心の準備なんてできてない。

私は爆豪のTシャツをそっと握る。

どうしよう、
顔を上げられない。

さっきエレベーターから降りて一瞬だけ見えたみんなの顔は、

驚いていた。

何を、言おう。

………とりあえず。

1番は…

『えっと………あの、みんな、』

言わなきゃ。

みんなに。

自分から出る震える声に気付きながらも、頑張って声を振り絞る。

『………み、んなを避ける、ような事して…ごめんなさいっ……迷惑も、たくさん、かけたと思うしっ…』

小さくなっていった声に、最後。もう一度ごめんなさいと言って。

ギュッと目を瞑り、頭を下げた。

心臓はバクバク。

キュッと喉が締まるような感覚に、爆豪のTシャツを握る手に力が入る。

数秒、いや一瞬だったかもしれない。

その間の沈黙は私にはとても長く感じて。

その一瞬で色んな事を考えた。

もうみんなが笑って話してくれなくなったらどうしようだとか

許してくれなかったら、だとか。

いやそもそもお前誰だっけとか言われちゃったりして…なんて。

だが、次の瞬間には。

「Aちゃん！！」

『へ』

私の名前が呼ばれたと思ったら。

『あ、ばくご、』

体にぶつかってくるすごい勢いの衝撃に数歩、後ろへ下がると私の手から爆豪の服がすり抜ける。
するとその衝撃と一緒にぎゅうっと私の体に手が回される。

『ぐへっ！？』

…それも。たくさんの。

何これ新手のいじめ…？

圧迫死しそうなんだけど。

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