私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ40)

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すると、

「…………テメェもあんな風に消えたりしちまわねぇよな…？ずっとここにいんだよな…？」

と。弱々しく。消え入りそうなそんな声で耳元で囁かれた。

どうしてそんな不安そうな声なの、爆豪…、

爆豪らしくないよ。

『…さあね。でも別に私なんか消えても困らないでしょ？』

私がいつもの声でそう言えば、爆豪は腕の力を少しだけ緩めてその赤い綺麗な瞳で私を見下ろす。

「……ソレ、本気で言ってんのか」

『本気も何も…本当だったらさ、私ここにいないんだよ？死んでるの』

「……」

『それに、今まで散々言われてきたんだ。…サキに言われた言葉。実は私自身そう思ってるんだ』

爆豪は私の言葉にグッと眉間にシワを寄せる。

そんな顔しないでよ。

怒らないで。

『…でもね、ここに来て少しだけ変われたと思ったの。みんながねありがとう、美味しい、嬉しいってたくさん言ってくれたから。私もいる意味があるんだって。少しは自信がついて…楽しかった』

「……」

『でもサキに言われて思い出したの。…………だからさ、同情なんてしてくれなくていいんだよ？無理に一緒にいようとしてくれなくていいよ。そんな風に、私がいなくなって困るだなんて言ってくれなくていいの』

爆豪の眉間の皺は取れない。

それどころか深まるばかりで。

だけど、こんな時にそんな顔もかっこいいななんて。

私ね、こんなに優しい体温に触れた事なかったんだ。こんな風に優しく、抱き締められた事なんてなかった。こんなにも安心感を覚える事なんて今まで一度だってなかった。話したいと、声を聞きたいと…

…触れたいと。

今までにそんな事一度も思った事なかったのに。

初めて、誰かにそう。思った。

それが、爆豪で良かった。

「……」

『だって私は、元々はここにいないはずの存在なんだか………っ、』

刹那。

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