私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ37)

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「何よ！爆豪くんがあの女の何を知ってるっていうの！？今までみんなと会わないように避け続けていたじゃない！それに知ってる！？あの女はイラナイ子なの！誰からも愛されず、親に殺され、先生にも信じてもらえなかったのよ！？そんなのってもう、誰からも必要とされていないしただのゴミじゃない！」

「話逸れてっけど、今それ自白したのと変わらねえよな？」

「っ…！何なのよ！あんなゴミ！消そうとして何が悪いのよ！私より目立つのがいけないのよ！」

ついさっきまで、しおらしく。

心配して欲しかっただけなんじゃないかと言ったサキはどこにもいない。

私の目の前で叫んでいるのは、目を吊り上げ、怒り狂って、爆豪じゃなく。私を睨み付けているサキの姿。

「ねぇっ、分かってるの？あんた、イラナイ子なの！誰からも必要とされず、結局勝手に産んだ親に勝手に殺された！イラナイ以外の何でもないのよ！」

『……』

「チッ、テメェいい加減に、」

「おい、爆豪！」

今にでも張り倒しそうな勢いの爆豪に、何かに気付いた相澤先生は彼を止める。

「消えかけてる、」

「は？」

相澤先生の言葉に、みんなはサキを見てそれぞれに口を開ける。

ほんと、だ…

相澤先生が言った通り。

サキの体は透けている。

半透明で、サキを通して向こう側が見えるくらいに。

一瞬、サキの個性かとも思ったが。

「なっ…何よこれ！！私消えるの！？ふざけないでよ！」

本人がこんなに取り乱しているのだ。

そんなはずがない。

サキが、消える…？

どうして？

だんだんと、サキのあの金切り声に近い声も聞こえづらくなってくる。

「まだこれからなのに！これから…Aを………！」

そして、その声はどこかこだましていくように。だんだんと聞こえなくなって。

「いやあっ…………」

という言葉を最後に。

…サキの姿は、消えた。

「…消えたの？」

「…嘘、」

みんなは信じられないと、ポツリポツリと呟くようにそんな言葉を言う。

そりゃそうだ。
急に人が消えたら誰でも驚く。

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