私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ28)

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「…っあぁ、あぁ、そうかよ、」

『……？』

私が服の袖で溢れ出す涙を拭っていると、今まで笑顔で話していた死柄木弔はすごい勢いで首を引っ掻いて、どこか苛立っている様子で立ち上がった。

「じゃあ、殺そうかな」

『えっ、』

さっき手は出さないって…、

でも、考えてみたらそうか。

申し出を断ったのに生かしておく意味はない。

死柄木弔の個性はよく知らない。

…だけど、殺されたくはない。

もう二度と、あんな思いはしたくない。

『や、やめてっ…来ないで、』

「だって、君。ウチに来ないんでしょ？だったらもう、いい」

『ーっ、』

彼の声にはもう、まるで温度がない。

冷たく、冷え切った声。

本当に、私を殺す気だ。

温度差激しすぎこの人…っ、

『いや、だっ、』

死にたくない、

私は近くにあった枕や、時計。

手当たり次第、彼に投げていく。

そして。

『…な、んで、』

「……個性だよ」

私が死柄木弔に投げた枕。

彼がそれをキャッチした瞬間。

その枕は、砂になって消えたのが見えた。

もしかして…

あの手に、触れたら…死ぬの？

一気に恐怖が増し、私は体を震わす。

どう、しよう…

どうしよう、どうしよう。

絶対、私じゃどうにもならない。

このまま殺されてしまう…、

ここは、雄英…

プロヒーロー達はどこかにいるはず。だけど近くにはいない。相澤先生もすぐ近くにいるわけじゃない。

でも、叫んでみんなを起こしたって…

この個性。

前にみんなが話していた事を、思い出す。

確か、前に一度襲撃されたと聞いたって…

その時は確か、オールマイトっていうすごいヒーローが来たから救われたと言ってた。

今私が呼んでもみんなが、危険にさらされるだけだ…

で、でもっ…

このままじゃ私は殺される。

戦わなくても、誰かがプロヒーローを呼んできてくれればっ…

…私は手元にあった携帯。

それを思いっきり、ぶん投げる。

『っ、』

「………どこ狙ってるの」

壁に。

携帯はドンっと壁にぶつかって、床に落ちる。

決して下手くそとかじゃ…

そんなんじゃない。

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