私の安全地帯は爆豪の後ろ。2【爆豪勝己】 (ページ23)

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「……………………よ、」

ボソリと何か聞こえた。

『え？なんて、』

「………デクと、仲良いのかよ」

デクと、仲良い…？

緑谷くんと…？

私が…？

爆豪を表情を伺おうとも、爆豪は俯いていてるから表情が分からない。

どうして、爆豪がそんな事…、

「…夕方、一緒いたろーが」

夕方…

あっ、みんなが帰って来たときの…

『そ、それなりに話す、だけ………だ、だけど緑谷くんの後ろにいたのはたまたまでっ…、』

って。何で私は言い訳みたいな事をしてるんだろう。

関係、ないのに。聞かれてもいないのに。

でも、それはきっと…

「………チッ。そうかよ」

『う、うん……ば、爆豪はサキと…一緒にいたしっ……遠かったし…、最近………話してもないからっ……、』

「……俺は別にお前の事避けてねえだろ」

『そ、そうなんだけどっ…ほ、ほら！サキにくっつくなとか言ってたし…！』

「……………別に、お前が嫌だとは言ってねえだろうが」

『……あ、そ、そう…？』

少しだけ。

少しだけ爆豪が、拗ねたように…

落ち込んでるように、見えたから。

「っあぁ！！クソ！！」

『っ！？』

「この際だから言っとくが」

『？』

「……てめぇが何を抱えてんのか知らねぇが…てめぇを疑う奴も嫌う奴も、信じねぇ奴も。ここにはいねぇ」

『……ば、くごう、』

「つまんねぇ事ばっか考えてんじゃねーぞ」

『……』

「…じゃあ、俺は寝る」

『あ、う、うん…』

私が返事をすれば、爆豪は私を見ず。

そのままズンズンと部屋を出て行くと自分の部屋へ真っ直ぐに入って行った。

つまんない事…か、

爆豪なりの優しさなんだろうな…

私は知らなかった。

この会話を、聞かれている事を。

そして数日後、起きる事件の事なんて。

まだ誰も、気付いてはいない。

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