クロくんと臆病猫【黒尾鉄朗】

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「…A」


『研磨くんだ』


「ん？？？？研磨くん？？？？A？？？？」



放課後。自分の席で暇潰しにスマホをいじっていると、頭上から聞こえてきた声に顔を上げればそこには研磨くん。


研磨くんが私のクラスに来るなんて珍しい。

ましてや学年が違うのに。


そして、研磨くんの後ろで眉を寄せ、首を傾げて理解不能みたいな顔して私と研磨くんを交互に見る、クロくん。何そのすごい顔。



「ドウイウコトカナ？お2人はドウイウゴカンケイデ？」



カタコトになってるよ、クロくん。

でもそれはしょうがないか。


クロくんは私と研磨くんが知り合いだって事をたった今知ったんだから。

別に隠してたわけじゃないんだけど、言う必要もなかったっていうか…



「……どうって、ゲーム友達？」



研磨くんの言葉にうんうんと頷く私。

最初はお互い顔も知らなかったんだけど、オンラインでゲームしながら通話してた時に研磨くんの方からクロくんの声が聞こえてもしかしてって話してみたら同じ高校で。

こんな偶然ってすごくない？うん、すごいと思う。



「シレッと言ったけどさ、俺初めて知ったよ？ねぇ。仲良いの？名前呼び？浮気？え？何？俺、仲間外れ？」


『一旦落ち着いてね、クロくん』



ほら、研磨くんなんてめんどくさそうな顔してるから。









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