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誰が好き好んで、好きな人の唇をよその女の子のもののままにさせるか。
クロくんは、全部私のだ。私だけのだ。
もう一回、と。
私はまた同じようにシャツを引っ張って背伸びをする。そしてまた、ちゅっ、と小さなリップ音を響かせ。次に。
「いだっ、」
その赤くなった唇を。
軽くだが、噛んでやった。
当たり前にまた目を大きくさせて、一歩足を引くクロくん。
『ざまあみろ』
「っ…、こ、の、」
やっと理解したのか、みるみるうちに顔を赤くさせていくクロくん。してやったり。
べーっと、舌を出してクロくんから距離を置くように。私も後ろへ下がる。そして口を開いた。
『クロくん、』
「…は、はい」
『もう2度と、私以外の女の子にキスなんてされないでね。次はないから』
「……っおう、絶対されない。もし次されたら唇切り落とす」
『それは痛いからやめて。それと真顔で言わないで』
「マジだから」
『……』
「マジ」
『……………あと』
「……」
『罰として、1週間』
「……」
『私に触るの禁止』
「……」
『……』
「っっっはぁ!?」
校内に完全に響き渡るような声だった。
この世の終わりみたいな顔をしたクロくんに、私はニィッと笑うと背中を向けて自分のクラスへと向かう。
もちろんクロくんは焦った顔して追ってくるわけで。
「う、嘘だよな!?」
『本当』
「マジで言ってんの!?俺無理!!耐えらんない!!Aに触れないと頭おかしくなるから!!」
『何?別れる、とかよりはマシだと思うんだけど』
「うっ……、」
ダラダラと冷や汗を垂らすクロくんに、クスクスと笑う。
別れるなんて、絶対言わないけど。
少しくらい、意地悪してもいいよね?
『え、何?クロくん別れたい、』
「んなわけあるか!!それこそ耐えらんねぇわ!!我慢する!!すればいいんだろ!!」
『おー頑張って』
「他人事!!」
数分前とは違う、2つの声が廊下に響き渡った。
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まあり(プロフ) - 黒瀬将哲さん» きゅんしていただけたのなら良かったです…!!こちらこそ見つけてくださりありがとうございました( ; ; )! (2021年12月29日 22時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲 - 最高でした!!もぅ、クロがカッコよすぎ♡トキメキをありがとうございます! (2021年12月28日 21時) (レス) @page47 id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - かれんさん» かれんさん、そんな風に言っていただけるなんて嬉しすぎます…!!でもあと一つ落としたら完結の予定なんです…、機会があればまた書こうと思いますのでその時はまたよろしくお願いします!! (2021年5月10日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 完結してほしくないです泣くだらないことでもずっと書いて欲しいです!!! (2021年5月9日 21時) (レス) id: b543d6bbb4 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - りおん。さん» りおんさん、読んでくださりありがとうございますー!あああああっそう言っていただけてとても嬉しいです!! (2021年5月6日 8時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年4月25日 20時