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「気になる?」
『……』
私は静かに頷いて1度上げた視線をもう1度下げて、また、クロくんに体重を乗せる。
「じゃあ、」
『……』
「ここ来て」
そう言ってポンポンと叩いたのは自分の膝の上。
…つまり、クロくんの膝に座れと。
しかもきっと、向かい合わせで。
…こんな場所で?
そう、視線をやるがクロくんは急かすように膝を叩くだけ。
『……じゃあいいもん』
「あ、そう?」
『……』
ふいっと反対を向く。
「……」
『……』
「……」
『……』
だけど今はクロくんの方が有利。クロくんが折れてくれるはずもなくて。
『……ハゲてしまえ』
「はいはい」
結局、クロくんの言う通りクロくんの上にまたがるように座って。首に手を回す。
珍しく、私の方が視線は上。クロくんの視線が自然と上がる。
「で、何だっけ?」
『……』
「待て待て、分かってる。分かってるから降りるな」
降りようとした私の腰をぐいっと引いて、私を元に位置に戻す。
…クロくんのくせに肌綺麗。この野郎。見れば見るほどイケメンだな。ムカつく。
「どれくらいって、すっげー好きよ?」
『へぇ』
「自分で聞いておいてその反応は何だよ」
『クロくんのイケメンの無駄遣いに腹が立ってそれどころじゃない』
「イケメンに向ける顔じゃないよその顔」
そんなやり取りをしているが。クロくんの手は私の頬に触れて、視線は優しく、空気は甘い。
……最近、気持ちが溢れ出してしまいそうになる。私はこれぐらい好きだと表したくなる。
私の大好きなその目は、私だけを映して。
「A」
私の大好きなその声は、私の名前を呼ぶ。
「死ねるくらいには好き」
『……』
「…ん?」
『……バカ、アホ』
「…おう?」
『……クロくんなんて、』
「なんて?」
『ーっ…、』
「ははっ、」
自分で聞いたくせに、顔までぶわぁっと熱くなって。
クロくんの顔を見ていられず、喉まで出かかった言葉を飲み込んで、その代わりにぎゅうっと。クロくんに抱きついた。
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まあり(プロフ) - 黒瀬将哲さん» きゅんしていただけたのなら良かったです…!!こちらこそ見つけてくださりありがとうございました( ; ; )! (2021年12月29日 22時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬将哲 - 最高でした!!もぅ、クロがカッコよすぎ♡トキメキをありがとうございます! (2021年12月28日 21時) (レス) @page47 id: d01723e5ca (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - かれんさん» かれんさん、そんな風に言っていただけるなんて嬉しすぎます…!!でもあと一つ落としたら完結の予定なんです…、機会があればまた書こうと思いますのでその時はまたよろしくお願いします!! (2021年5月10日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
かれん(プロフ) - 完結してほしくないです泣くだらないことでもずっと書いて欲しいです!!! (2021年5月9日 21時) (レス) id: b543d6bbb4 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - りおん。さん» りおんさん、読んでくださりありがとうございますー!あああああっそう言っていただけてとても嬉しいです!! (2021年5月6日 8時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年4月25日 20時