太陽は眩しく笑う。4【煉獄杏寿郎】

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口に入れるとまだ熱い焼き芋をゆっくりと口元へ運びながらみんなのやりとりに耳を澄ます。



本当に、随分と今日は賑やかで。

私もこの人達に、だいぶ慣れたものだ。


煉獄さんと二人で過ごすのもいいけれど

たまにはこんな日もあっていいかななんて。


少しだけそう思う。

そして改めて、思う。



……あの日、煉獄さんに見つけてもらえて本当に良かった。この屋敷に住まわせてもらって良かった。もちろん苦手な人もいるけれど、みんなと知り合えて良かったと。



「どうしたA！もう一ついるか！」


『あ、はい。じゃあ頂きます』


「うむ！」



明るい髪を揺らし、眩しいくらいの笑顔をこちらへ向ける煉獄さんに自然と胸が高鳴るのはもう結構前からの事。


こんな素敵な人と出会えるなんて、小さい頃の私は思ってもみなかった。


でも今はこうして、煉獄さんの隣で言葉を交わし瞳に映り触れられる距離にいる。



「む？何を笑っている？そんなに焼き芋が嬉しいか！」


『ふふ、そうですね、嬉しいです』


「うむ！そうか！それなら良かった！俺も嬉しい！」



……それってすごく、幸せだ。



「あら！笑顔のAちゃんもとても可愛いわ！」


『えっ、』


「甘露寺さん、そんないきなり抱きついたら焼き芋落としてしまいますよ」


「ごめんね！？」


『大丈夫ですよ』


「わっしょい！」


「あ、そういや冨岡いねぇな」


「遠くへ任務らしーぜェ」



こんな日も悪くない。


…すごく。

楽しいや。



「さ！もう一つ食べるか！？」


『あ、いえ…私はもう…』



けれど。


こんな日は長くは続かない。




いつになったらこの痛みに慣れるのだろうか。




いつだって突然に。

何の前触れもなく。

音もなく近寄り、影を落とす。





そんな出来事が私を襲うのはこの焼き芋パーティーから数日だった日だった。








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