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ある晴れた日。
少しだけ冷えた風が首元を撫でる。
「火をつけたぞ!」
『ちょっ、煉獄さんってばはしゃぎすぎです』
「すまん!嬉しくてな!」
煉獄さんはそう言って目をぱちくりさせると私の手にあったさつまいもが沢山入ったカゴを受け取る。
………可愛すぎやしませんか?
好物の芋を目の前にしてこの見ただけで分かるはしゃぎっぷり。
ついさっき、いつも買い物をしている店のおばさんから大量のさつまいもを貰ったのだ。
そしたら煉獄さん、街中で大きな声で「焼き芋をしよう!!」って。
声が大きすぎておばさん腰抜かしてたよ。
「楽しみだな!」
『はい、そうですね』
しゃがみ込んで、焚き火の中の芋をツンツンと木の棒で突いている煉獄さんを見て思わず口角が上がる。
お味噌汁だったり炊き込みご飯だったり煮物にはした事はあるが、焼き芋にするのは初めてだからなぁ。
私はどちらかと言うと焼き芋より煉獄さんを見るのが楽しみだったりするんだけど。
まだカゴに沢山入って順番待ちしているさつまいも。
…いくら沢山食べる煉獄さんだからとはいえ、こんなに食べれるのだろか。
だけど、そんな心配なんていらなかったみたい。
正直驚いた。
…だって。
「あらぁ、焼き芋ですか?」
煉獄さんの隣でさつまいもが焼けるのを待っていると訪ねて来たのはしのぶさん。
屋敷の門をくぐり、隣同士にしゃがみ込む私達を見つけるといつもの笑みを浮かべた。
煉獄さんが「胡蝶もどうだ!」と誘えば、「ではお言葉に甘えて」としのぶさんも一緒に焼き芋が出来上がるのを待つ事になった。
そして数分後。
「あァ?揃って何してんだァ」
「おっ、胡蝶もいんじゃねーか」
次に来たのは不死川さんと宇髄さん。
もちろん煉獄さんは二人も誘う。
3人も同時に来るだなんて珍しい。
だけどそれだけではなかった。
屋敷の外が少し騒がしいな、なんて思えば今度はあの珍妙……竈門くんと我妻くんと伊之助くん。
次は甘露寺さんに、
最後は千寿郎くんまで。
なぜか次々と集まってきた顔見知り。
みんなそれぞれに煉獄さんに用事があったらしいが…
こんなにタイミングよくみんな集合するなんて、おかしな事もあるものだ。
もちろん、煉獄さんは焼き芋を食べて行けとみんなを誘って。
焼き芋を焼いている焚き火の周りには普段なら絶対見れない光景。
人、人、人。
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まあり(プロフ) - まゆさん» まゆさん、最後まで読んでくださりありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです!こちらこそ感謝です!!! (2021年4月23日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます!1から拝見しててとても感動とキュンキュンと楽しさもあって....感動作をありがとうございます! (2021年4月17日 1時) (レス) id: f2813c0044 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» また、すみません、ありがとうございます! (2021年3月12日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 43話の次が12話ですか? (2021年3月12日 21時) (レス) id: 239fe8d3ac (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» さて、何が起きるんでしょう…?お楽しみに…! (2021年3月10日 20時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年3月7日 13時