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「全く…急ぐのは良いですけどタオルくらい乗せてあげて行ってください」
「すまぬ…」
「熱はかなり高いですが、注射しましたので熱は下がってくると思います」
「うむ」
「では、私はこれで、」
『……しの、ぶさん?』
渦巻く意識の中、煉獄さんとしのぶさんの声が聞こえてゆっくりと目を開ける。
「ごめんなさい、起こしてしまいましたか?」
『……いえ、大丈夫です、』
「あっ、起き上がらないでください!まだ熱は高いんです」
起きあがろうとすれば慌てて私を寝かして布団をかけてくれるしのぶさん。
そういえば、眠る前よりもだいぶしんどいかもしれない。
『しのぶさん、すみません、わざわざ、』
「良いんですよこれくらい。Aちゃんの為ならどこへだって行きますよ」
…優しい。
そう言って笑ったしのぶさんは私の頭を優しく撫でると立ち上がる。
『ありがとう、ございます、』
「いえいえ。それでは私はこれで、」
『はい、また』
今度、改めてお礼しよう。
お世話になってばかりだ。
しのぶさんが出て行った襖をぼーっと見てると、
「A!」
ひょこっと私の視界に顔を出した煉獄さんに思わず口元を緩める。
『煉獄さん、』
「うむ!」
『煉獄さんも、ありがとうございます、』
「気にするな!」
煉獄さんは横になる私の隣へ腰を下ろすとおでこに置いてあったタオルを濡らし直してまた置いてくれる。
その手はそのまま火照った私の頬に触れるから、その手が冷たく気持ちが良くて目を瞑る。
「ここにいても大丈夫か?」
その声も心地良い。
安心、する。
私は小さく頷く。
ここへ来て熱を出すのは二度目。
前も煉獄さんがずっとそばにいてくれて。
『…れんごく、さん、』
「ん?どうした?」
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まあり(プロフ) - まゆさん» まゆさん、最後まで読んでくださりありがとうございます!キュンキュンしていただけて嬉しいです!こちらこそ感謝です!!! (2021年4月23日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 完結おめでとうございます!1から拝見しててとても感動とキュンキュンと楽しさもあって....感動作をありがとうございます! (2021年4月17日 1時) (レス) id: f2813c0044 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» また、すみません、ありがとうございます! (2021年3月12日 21時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 43話の次が12話ですか? (2021年3月12日 21時) (レス) id: 239fe8d3ac (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» さて、何が起きるんでしょう…?お楽しみに…! (2021年3月10日 20時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年3月7日 13時