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『…しのぶさん、』
「何でしょう」
『ご相談が』
「知ってます」
『……』
「そう言ってこの部屋に来てからもう何分経っていると思っています?」
『……すみません』
今日はしのぶさんのお手伝いの日。
私はさっさと与えられた仕事を終わらせて煉獄さんが来る前に、しのぶさんと2人きりになった。理由はさっき言っていた通り相談があって。
快く頷いてくれたしのぶさん。
だけどここへ来てから特に何も言わないままだいぶ時間が過ぎた。
それでも黙る私に、しのぶさんは「もしかして、」と口を開くととんでもない事を言葉にした。
「妊娠でもしましたか?」
『ぶっっっ!!!』
「まあ、汚いですよ」
『そんなわけないじゃないですか!』
「大きな声出さなくてもそんなの分かっていますよ」
妊娠って!
思わず吹き出しちゃったよ。
くすくすと肩を揺らして笑うしのぶさんは、少し楽しそうに私を見る。
しのぶさんって、可愛いよなぁ…
仕草も声も。
……こんな人男の人なら放っておかなそう…
『…しのぶさんには好きな方はいますか?』
スッと出てきた言葉は、しのぶさんを驚かせたみたいで笑いを止めたしのぶさんは口元に手を当てる。
「まさかAちゃん、」
『……』
「好きな方でも出来ましたか?」
『……え、』
ただ聞かれただけなのに、
ピクリと体が揺れるからしのぶさんは意味あり気に「そうですかぁ」なんてさっきとは違う雰囲気の笑みを浮かべる。
「もしかしてそれを相談しに?」
『……、』
は、恥ずかしい…
だから言い出せなかったのに。
こういう話なんてした事ないし、
私には無縁だったから。
すごく恥ずかしい。
「Aちゃんが恋ですか…」
『……、』
「何を話したいんですか?」
『………その、私の……自分の気持ちがよく分からなくて、』
…実は、ここ数日考えていた。
………煉獄さんの事。
私は煉獄さんが好きだ。
もちろんそれは私を救ってくれたし
どうしたらいいか分からないくらいに優しくしてくれる。いつでも私を助けてくれる。いつの間にか煉獄さんがそばにいると安心出来たから。
恩人とか、
ただ大切な人への、好き。
………そう思ってた。
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まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時