太陽は眩しく笑う。3【煉獄杏寿郎】

31 ページ21

ー








「Aちゃん」


『……はい』


「自分を大切にしてくださいと言いませんでしたか？」


『……言ってくださいました』


「今はここにいますけどどうせ煉獄さんが連れてこなければ来る予定なんてなかったでしょう」


『……いえ、そんな事は、』


「……」


『…あったかもしれません』


「素直は良い事です」


『でも、あの、正直それどころじゃなかったというか…』


「理由は何であれ、」


『ごめんなさい、しのぶさん私が悪かったです…なのでもう…』



蝶屋敷に着くなり珍しく驚いた表情をしたしのぶさんは煉獄さんを別の場所に案内すると私の頬の処置をしてくれ、眉をぴくぴくとさせたしのぶさんは静かに私を見下ろし冒頭。


これ以上しのぶさんに怒られ続けたら私のメンタルが…


どうかこれ以上はと言葉を遮った私に、しのぶさんは小さく息を吐くと「まあそうですね」と言葉を続けた。



「なかなか直るものじゃありませんしねえ」


『ぐっ…努力します…』


「まあ、今日はこれくらいにしておきましょう。Aちゃんが無事で何よりです」


『はい、ありがとうございました』


「どういたしまして。顔の傷は残らないと思いますが薬は必ずつけてくださいね」


『はい』



そうして、私はしのぶさんから受け取った塗り薬を手に持つと頭を下げて煉獄さんの元へ急いだ。








ー

32→←ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す