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しのぶさんのお手伝いをしていると分かってくる。どれくらいの傷の深さが残ってしまうのか。傷に対しての正しい処置。
しのぶさんのお手伝いが何も全部がお掃除やら洗濯物ばかりではない。
たまに傷の手当ても、処置の仕方も教えてもらう。
…って今はそんな事考えてる場合じゃなかった。
今はこの男をどうにか…
だけど、私のさっきの笑いが一瞬の隙を作っていたらしい。
「流石Aだな!」
『わっ、』
目に追えないほどの速さで、見慣れた焔色が目の前に迫ってきたと思ったらもう。
「大丈夫か?」
気付いたら、煉獄さんの腕の中だった。
『…へ、』
何が起きたのか、全く分からなかった。
瞬きをし、目を開けた瞬間にはもうここ。
私は視線だけで男を探す。
……あれ?
屋敷まではいっていないがそちらの方角。
ここから数メートル離れた地面に。
男は転がっていた。無様に。意識もないみたいだ。
「少し力加減を間違えたようだ!」
煉獄さんはそう言っていつものように大きな声で笑う。
…だが、その目は笑っていない。
怒ってる…?
煉獄さんが怒っているところなんて見たことないものだがら思わずゴクリと唾を飲み込む。
雰囲気はいつもと違うが、私の肩に回す腕は堪らなく優しい。
まるで壊れ物にでも触れるかのように。
『…煉獄さん、』
「ん?何だ!」
私が小さな声で呼ぶとその綺麗な瞳を私へ向ける。
……気のせいだったのかな。
こちらに向けた煉獄さんの瞳にはもう怒りは見えず。
ただその優しい眼差しで私を見つめるだけ。
あぁもう聞いてしまえ。
煉獄さんの気持ちが私に分かるはずがない。
言わなきゃ分からない事は沢山あるのだ。
『煉獄さんは、今何を考えていますか?怒っていますか?』
そんな質問に対して煉獄さんは考える時間もなく、即答でこう答えた。
「俺の欲を一方的に言ってこの手に連れ戻してしまったがもし君が本当は嫌がっていたらと内心焦っている所だ!それと、もしそうならどうしようかとな!怒っているかという答えは、うむ!俺は怒っているな!もちろんAにではなくあいつらにだ!」
大きな声で堂々とそう言い切った煉獄さんにまた頬が緩む。
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まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時