ー ページ14
ー
「お前は捨てられた要らない子だ。そんな奴を、誰が必要とする?どうせここの奴だってお前を捨てるぞ?捨てなくてもお前を必要とはしない。今お前がここからいなくなったってどうでも良いだろうな」
煉獄さんはそんな事思ってない。
だって、笑ってくれた。
優しい言葉をくれた。
温かい手で撫でてくれた。
「そんな要らない子がここにいたって迷惑なだけだろうな」
男は鼻で笑いながらそんな事を言う。
『煉獄さんは、そんな事…、』
「言わないってか?思ってもないって?どうしてお前がそいつの気持ちが分かる?」
それは…と口籠る私を嘲笑うかのように歪んだ瞳は私を見下ろす。
「だったらどうしてお前は両親に売られた?…お前が要らない子だからだ。必要がないから」
『そんなの、』
両親はそうだったとしても、煉獄さんはっ…、
…男は知ってる。
どんな言葉が私を引きずり戻すのか。揺らすのか。
どんな言葉が私を傷付けるのか。
それはたった一言。
そんな一言で、
「愛す価値もないからだ」
『……っ、』
私だって人間だ。
傷付く。
刃物より鋭いもので切りつけられたみたいに痛む。
「だったら必要としてる俺が貰っちまってもいいよなぁ?」
『でも、』
でも、何?
続く言葉なんて見つけてない。
それなのに、言葉を繋ごうとするのは認めたくないから。
だけど男はそんなの知るはずもなく。
…いや知りながら、わざと追い討ちをかけるように言葉を続ける。
「本人に言われたか?お前が必要だって」
『……っ、』
「その顔は、言われた事ないんだな?」
飲み込まれるな。
その男の言葉に、耳を貸すな。
だって、言われた事がないからって…
「…それにしてもこの半年で驚くほど女に仕上がってやがる。身なりを整えりゃあこんなだったんだなぁ?」
『や、めて、』
「俺が面倒みてやるよ。お前がいねーとストレス発散が出来ねーんだよ」
『い、や…っ、』
男は私の手首を痛いくらいに強く掴んで、玄関から引きずり出す。
『行きたくないっ、』
「うるせぇよ!!」
ー
218人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時