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煉獄side









どうして、こんな事になっている。

あと少しで屋敷に着くというところでいつもと違う空気を察知した俺は屋敷へ急いだ。


屋敷の門の前に男が一人。


その時点で、Aに何かが起きてると分かった。



俺はその男を気絶させ、中へと急いだのだが。

視界に飛び込んだのは知らない男。

それとその後ろにはAの姿。


項垂れ、俺の声は届いたはずなのに顔も上げず唇を噛み締め、光のない瞳はただジッと地面を映していた。



この男は誰だ。

見た事もないはず。


それよりAだ。

何があった?



いつものAなら俺の声が聞こえた瞬間嬉しそうに駆け寄ってくる。

何がどうなってこんな状況になっているのかはまだ分からないが。顔くらいは上げるはずなのに。



「お前は、」



誰だと聞く前に。


不甲斐ない。


男の行動の方が数秒、早かった。



男はAの腕を乱暴に引っ張ると自分の腕で押さえつけ、忍ばせておいたであろう小刀をAの首元に当てたのだ。



「来るんじゃねぇ!」


「……、」


「こいつは俺の元へ帰るってよ!」



もしかしてこの男…、


頭の中で話が繋がり、理解する。

きっと俺の予想通りだろう。

この、男が…


いつかの夜に、夢を見たと俺の部屋へ来たAの話を思い出す。



その瞬間ぶわっと体が熱くなり、腑が煮えたぎるような感覚に襲われた。


会う事はないと、そう思っていたが…

よもや、こんな形で会うとは。


正直、今すぐこの男を殴り飛ばしてやりたい。



Aを傷つけた。

理由はそれだけで十分だった。









「……Aを離せ」



深く息を吐いてゆっくりと低い声で言葉を紡ぐ。


Aから、離れろ。


それ以上Aを傷付けるな。


だけど男は素直に従うはずもなく。



「嫌に決まってるだろ!こいつは俺のもんなんだよ!こんな感情も見せねぇ人形みてーな奴、そうそういねぇだろ?」



歪んだ笑いを頬に浮かべ、ふざけた事を口にする。



「嫌だも痛いも言わねーよ?」



ほら。と男は試してみるかとでも言うようにAを捕まえている方とは反対の手に持っている小刀をAの頬にツーッと当てた。



「っ!!」



白い肌からは赤い血が流れる。



ふざけるな…

それ以上その薄汚い手で、触れるな。


耐え難い怒りが俺を襲い、今にでも飛びかかってしまいそうだ。









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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱   
作品ジャンル:アニメ
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まあり(プロフ) - まゆさん» 嬉しいですーっ!読んでくださりありがとうございます!最後までぜひよろしくお願いします! (2021年3月6日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
まゆ(プロフ) - 煉獄さんかっこいい、、、最高!!!!更新楽しみにしてます!頑張って下さい!応援しています!(*^^*) (2021年3月5日 21時) (レス) id: 89f8187042 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 明日香さん» すみません!修正してきました!教えてくださりありがとうございます! (2021年3月3日 19時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
明日香(プロフ) - 33話の次が26話ですか? (2021年3月3日 18時) (レス) id: c2c1adce1e (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - 凪子さん» わーっっ!!ぜひぜひ最後までよろしくお願いします!ありがとうございますー! (2021年3月3日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まあり | 作成日時:2021年2月23日 21時

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