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『っ……、』
一度、ゆっくりと目を閉じて息を吐く。
大丈夫、大丈夫。
すると段々、体の震えが止まっていく。
「ふふ、ではちょっと失礼しますね」
「じゃあ俺は少し抜けるぞ!」
「はい」
え、行っちゃうの?
一人に…、
「大丈夫です、煉獄さんは後でまた戻って来ますから」
まるで見透かすようにそう言った彼女は私に笑顔を見せる。
『…は、い』
「では、少し傷の具合をみせてくださいね」
『……』
それから数分、黙って彼女の指示に従いながら傷をみてもらった。
私が思っていた以上に傷だらけだったみたいで、彼女は時折息を飲んでいた。
もう、どこでどんな怪我をしたかなんて覚えていないからなぁ。
自分でも知らない傷がたくさんあるみたい。
古傷もあるし、もちろん新しい傷も。
そして私は最終的に、ほぼミイラ状態になった。
『……動きづらい』
「少しだけ我慢してくださいね、とりあえず大きい傷が塞がるまで」
大きい傷…
どれだけ大きいのだろう。
必死で、痛みも消えていたからなぁ、
今も痛み止めでほぼ消えてるみたい。
『えっと…その…』
「…?」
『……名前、』
「あ、胡蝶しのぶです」
『………ありがとう、ございます、胡蝶、さん』
途切れ途切れだが、お礼を言って彼女の名前を呼べば彼女は「しのぶでもいいですよ」とにっこりと笑った。
『………しのぶ、さん、』
私が呼べば「はい」と笑いかけるしのぶさんは可愛らしい。
『えっと……しのぶさんはあの人とは…』
「あの人?」
『さっきの……声の大きい、』
名前、知らないや。
私がそう説明すればしのぶさんは「あ、煉獄さんの事ですか?」と首を傾げるから私は頷いた。
確かにさっきもそう呼ばれていたかもしれない。
煉獄さん、か。
覚えておこう。
煉獄さんと、しのぶさん。
「煉獄さんは仕事仲間…みたいなものです」
『仕事仲間…』
だからしのぶさんも刀を持ってるんだ…
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まあり(プロフ) - annkoさん» あああっ貴重な睡眠時間をっ…!?お礼を言っても伝え切れないです…!ありがとうございます!!お仕事、頑張ってください!! (2021年3月29日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - あれから睡眠よりも続きを!…と、全て読破させていただきました!午前中の仕事に若干支障が出ています(笑)。でもそれよりも、もうニヤニヤして最高の時間でした…煉獄さん本当にかっこよすぎです!更新楽しみにしています(^^)頑張ってください! (2021年3月29日 12時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - annkoさん» annkoさんはじめまして!あああっ…お暇がありましたらぜひぜひ読んでみてください!コメントありがとうございます…!嬉しいです!! (2021年3月29日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - こんばんは!はじめまして!素敵なお話をありがとうございます(^^) 煉獄さん…本当かっこよすぎて!お話の展開もとても好きです(^^)続きを全部一気に読みたいです!更新頑張ってください(^^) (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» わーーっ!!!嬉しいです!コメありがとうございます!とても励みになります〜! (2020年12月26日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2020年11月29日 19時