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「落ち着いたかよ」
『は、はい…そ、そうですよね…煉獄さんだって男ですもんね…そりゃ…あんな事やこんな事…するに決まってますよ。そ、そうですよ。ゆ、ゆ、ゆう、遊郭って…ソウイウと、所です、もんね、…って、何笑ってるんですか!馬鹿にしてます!?』
不死川さんはぶつぶつと一人で喋る私を見るとあの仏頂面を崩して口元を緩めた。
「いやァ、馬鹿にはしてねェよ。あんなに煉獄や胡蝶の前以外ではツンとした顔してるくせに随分と純粋なんだなと思ってよォ」
『いやその顔完全に馬鹿にしてますよね!?』
「そんな顔して近づいて来んなって」
『そんな顔ってどんな顔ですか!…ってぶ!!』
ズイッと不死川さんに詰め寄れば「やめろォ」と笑いを堪える不死川さんの手が私の顔面を簡単に覆う。
『ばびぶんべずば』
「何言ってるか分からねェよ」
『ぷはっ』
私はどうにか不死川さんの手から抜け出すと大きく息をする。
『煉獄さんもちゃんと男の人なんですね…』
「何だそりゃァ。お前煉獄を男だと思ってなかったのかよ?」
『いや、そういうわけじゃないんですけど…』
もちろん煉獄さんが男の人って事くらい知ってたけど。
そういうイメージがあんまりなくて。
だって煉獄さんだよ…?
爽やかお兄さんじゃん。
「っていうかお前人と話すの苦手なんだと思ってたわ」
『苦手というか嫌いですが何か?』
「話せてんじゃねーか」
『自分でも驚きですよ。甘露寺さんとですら喋れないんですから』
ついこの前、しのぶさんの所にいた時に甘露寺さんが薬をもらいに来てその時に少し話したのだが酷いのなんのって。
完全にしのぶさんを間に挟んでしのぶさんが私の通訳をしてくれてたよね。
でも確かにどうして今普通に話せているのだろうか。
会っている回数としては、甘露寺さんや宇髄さんの方が多いのに。
…………っあ!
おはぎギャップ人間だからかな。
「おい、心の声が表に出てんぞ」
『ひっ…何デスカその拳は。しまってください』
「ちょっと痛い目みせてやろーかと」
『暴力反対』
不死川さんはまたあんこを食べ始めた私を横目で見ると鼻で笑ってその重そうな拳を下ろして、またおはぎを食べ始めた。
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まあり(プロフ) - annkoさん» あああっ貴重な睡眠時間をっ…!?お礼を言っても伝え切れないです…!ありがとうございます!!お仕事、頑張ってください!! (2021年3月29日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - あれから睡眠よりも続きを!…と、全て読破させていただきました!午前中の仕事に若干支障が出ています(笑)。でもそれよりも、もうニヤニヤして最高の時間でした…煉獄さん本当にかっこよすぎです!更新楽しみにしています(^^)頑張ってください! (2021年3月29日 12時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - annkoさん» annkoさんはじめまして!あああっ…お暇がありましたらぜひぜひ読んでみてください!コメントありがとうございます…!嬉しいです!! (2021年3月29日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - こんばんは!はじめまして!素敵なお話をありがとうございます(^^) 煉獄さん…本当かっこよすぎて!お話の展開もとても好きです(^^)続きを全部一気に読みたいです!更新頑張ってください(^^) (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» わーーっ!!!嬉しいです!コメありがとうございます!とても励みになります〜! (2020年12月26日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まあり | 作成日時:2020年11月29日 19時