ー ページ37
ー
自分を…大切に…
私に何かあれば二人も心配する…
私は自分に興味がない…
最後に関しては自分でも分かっているのだが…
いくら考えても前の二つはしっくりこない。
両親に売られ、売られた先では召使いのようにこき使われ、それに暴力だって暴言だって当たり前だった。
そんな私がこんな風に誰かに心配されるんだと言われても想像すらできない。これが普通なんだと思っていたから。
あれからしのぶさんに今日はもういいから煉獄さんが迎えに来るまで休んでなさいと言われ、広い庭の隅で壁に寄りかかりぼーっとそんな事を考えていた。
あの時は頷いたが、体を大切にっていう意味があんまりよく…
「あ、てめェ」
『……？』
急に正面から聞こえた声に顔を上げれば、傷だらけの目つきの悪い人がこちらを見ている。
最近、知らない人によく声を掛けられる。
正直すごく困るのだけど…
しかもその人はまるで私の事を知っているかのように、「あん時の、」なんて言いながらこちらへずかずかと向かってくる。
え、何。
私また何かした？
この人知らないし、身に覚えがないんだけど…
『え、あ、あの…』
「お前、煉獄んとこの奴だろ」
『へ…あ、はい…？』
「んで疑問形なんだよ」
え、いやそんな急にそんな事言われても困るしあなたの事知らないし。
「まあいい、何でこんなとこで突っ立ってんだよ」
『……いや別に、理由は特にないですけど』
あ、この人も刀…
という事はこの人も煉獄さんの…、
『……あなたは？』
「あ？この前飲み会でいたろーが」
そう言われ、記憶を引っ張り出す。
飲み会…
多分私を紹介するとか言われて出かけた日…？
『……』
「……」
『……』
「……」
『………ああ！いましたねこんな人！』
「喧嘩売ってんのかァ？」
『そんな滅相もございません…』
思い出してハッとすれば、ギロリと睨まれるから一瞬で俯く。
いた。
そういえばいたよ。
怖い感じで目つき悪くて傷だらけの…
でもその人が私に何の用だ。
わざわざ話しかけに来るなんて。
ー
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まあり(プロフ) - annkoさん» あああっ貴重な睡眠時間をっ…！？お礼を言っても伝え切れないです…！ありがとうございます！！お仕事、頑張ってください！！ (2021年3月29日 16時) (
レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - あれから睡眠よりも続きを！…と、全て読破させていただきました！午前中の仕事に若干支障が出ています(笑)。でもそれよりも、もうニヤニヤして最高の時間でした…煉獄さん本当にかっこよすぎです！更新楽しみにしています(^^)頑張ってください！ (2021年3月29日 12時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - annkoさん» annkoさんはじめまして！あああっ…お暇がありましたらぜひぜひ読んでみてください！コメントありがとうございます…！嬉しいです！！ (2021年3月29日 7時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
annko(プロフ) - こんばんは！はじめまして！素敵なお話をありがとうございます(^^) 煉獄さん…本当かっこよすぎて！お話の展開もとても好きです(^^)続きを全部一気に読みたいです！更新頑張ってください(^^) (2021年3月28日 23時) (レス) id: 0cc2afaf00 (このIDを非表示/違反報告)
まあり(プロフ) - まゆさん» わーーっ！！！嬉しいです！コメありがとうございます！とても励みになります〜！ (2020年12月26日 16時) (レス) id: ff29d485fe (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まあり
| 作成日時：2020年11月29日 19時
