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Episode.34 ページ38

『あ、ちょ…!』




Aは困惑したまま手を伸ばしたが、もう氷織の姿は見えなくなっていた。





(ちょっと待ってね……そんときはよろしゅうって事は、氷織くんも私の報酬使おうとしてるってことー!?!?って言うか私人気なの!?聞いてないって…!!)






氷織の言葉をもう一度思い出し、Aがパニックになっていた所で背後から声がした。





「……おい。」





が、パニック中Aには声が届いていないようだった。






『あー、どうしよどうしよもう終わりだ…お父様お母様、こんな私をお許しくださいっ』





「……」





声の主は痺れを切らしたのか、Aの頭を片手でガシッと掴んだ。





『ぎゃあっ!?!?って、凛……?ちょ、急に何っ!?』




突然のことに驚いて振り向くと、いつにも増して不機嫌な顔の糸師 凛の姿が見えた。






「急にじゃない…何度も呼んだがお前が聞いてなかったんだろ。」





『エッ……』





明らかに自分に非があるため、何も言い返せないA。






(ど、どどどうしよう…凛がお怒りだ!やばいやばいもう私の命は終わりだーっ!!!って言うかいった!?なんか手の力強くなってない!?ひぃいい!!!)




Aが言い訳を考えている間にも、凛の手の力はどんどん強くなっていく。相当お怒りのようだ。






『ご、ごめんなさぁーいっ!!痛い痛いっ、離してくだしゃいぃ……っ!』




Aは涙目になりながらそう叫ぶと凛は、はぁ……っと長いため息をついて手を離した。





「お前、覚えてないのか?その脳みそはなんのために付いてるんだよ。」





凛は自分の頭をとん、と指さしてAを馬鹿にしたような動作をする。





『……へ?な、何が……?』





急にそんな事を言われたAは頭をフル回転させて考えるが、何も思い出せない。





(なになに急に…やばいほんとに思い出せない、私が約束すっぽかしたとか!?いやいやいや、そんな訳ないよね。…と、とりあえずなんか言わないとっ!!)





『えーと、お、覚えてますよもちろんっ!!ハイ、えっとぉ……や、約束してましたよねっ!ははは……』





「……来い。」



『うぎゃっ!?』



Aが本当に覚えていないことを察した凛は、Aの首根っこを掴みズルズルと引きずりながら歩き出した。





『え、ちょ、り、凛!?待って痛い痛い!!』





Aはなんの抵抗も出来ずに引きずられるのであった。

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黒糖さまでーす - 良い (2023年3月29日 18時) (レス) @page18 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます(;;)めっちゃモチベになりました…!これからも頑張りますので宜しくお願いします(*´˘`*) (2023年1月4日 2時) (レス) id: 708c48853c (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - りおさん» りおちゃんありがとうございます- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́-どんどん湧いてくるのでガンガン文字に起こしていきます……!!!もっと色んなキャラと会わせたいんですけどねっ!! (2023年1月4日 2時) (レス) id: 708c48853c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 私このお話すごく好きです!めっちゃ応援してるので頑張って下さい!! (2023年1月4日 1時) (レス) @page25 id: 6e1da832f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もなか | 作成日時:2022年12月24日 11時

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