Episode.26 ページ28
差し出したフォークは、今度こそ凪くんの口に入る…かと思いきや、凪くんは口を開けることはしなかった。
『あれ、要らないの……?』
玲王くんに取られてあんなに拗ねてたのに、どうしたんだろ?
私は諦めて自分の口にハンバーグを含む。
んー!美味いっ!!ご飯もあれば最高なんだけどなぁ……なんて考えていると、凪くんがボソッと呟いた。
「男と関節キスする趣味は無い……」
「なっ!お前なぁ!?」
「玲王もそーでしょ?」
「そうだけどっ!!」
なに、そーゆー事だったの!?凪くん意外とそういうの気にするタイプなんだ……なんか意外…って、
『まーた喧嘩してる……』
言い合いをしている凪くんと玲王くんを遠目に、ハンバーグを1人で楽しんでいると、とんとんっと控えめに肩を叩かれる。
『ん……?世一?』
世一は照れくさそうに俯いている。どーしたんだろ……?
「えと……俺も、ひとくち欲しい……です。」
いや!Aが嫌ならいいんだけどっ!!いや良くなくて……!!と1人であわあわしている世一。
『きゅん………はいこれ、いくらでも食べていいよ…もう全部持ってきな泥棒っ!!』
うぶな姿に完全に負けてしまった私は、気持ち多めにハンバーグを切り分けて、世一の目の前に差し出す。
「あっ、い、いただきます。むぐ………美味し!」
ちょっと冷めてるけど、と世一はふわりと微笑んだ。
あの、私より可愛く食べるのやめてもらっていいですか????
『はぁ……可愛い。ハンバーグが進むよ……』
「……どういうことだ?」
当の本人は自分の可愛さに全く気がついていないようだ。はぁ、罪な男だことっ!!
「あ……やっぱ俺もいる。あー」
私と世一の様子に気がついた凪くんは、再び私の方を向いて口を開いた。
『なに?私とは関節キスしてもいいの〜??』
ふふん、と意地悪っぽく笑ってみる。どうだ!たまには私だって反撃してやるっ……!!
「うん、したい……はやく」
……ん??凪くん今なんと仰りました???
『え、あぁ、は、はい……どうぞ……』
催促されてしまったので、咄嗟に凪くんの口にフォークを運ぶ。
「ん……冷めてる。」
私の予想と反して、凪くんはすごく冷静にハンバーグを咀嚼している。
あれ、なんか思ってた反応と違う……こっちが恥ずかしくなってきた……()
私はもんもんと考えながら、最後の一口を口にした。
733人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黒糖さまでーす - 良い (2023年3月29日 18時) (レス) @page18 id: b07dd8e215 (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます(;;)めっちゃモチベになりました…!これからも頑張りますので宜しくお願いします(*´˘`*) (2023年1月4日 2時) (レス) id: 708c48853c (このIDを非表示/違反報告)
もなか(プロフ) - りおさん» りおちゃんありがとうございます- ̗̀ ෆ( ˶'ᵕ'˶)ෆ ̖́-どんどん湧いてくるのでガンガン文字に起こしていきます……!!!もっと色んなキャラと会わせたいんですけどねっ!! (2023年1月4日 2時) (レス) id: 708c48853c (このIDを非表示/違反報告)
りんご(プロフ) - 私このお話すごく好きです!めっちゃ応援してるので頑張って下さい!! (2023年1月4日 1時) (レス) @page25 id: 6e1da832f0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:もなか | 作成日時:2022年12月24日 11時