嫌いじゃないけど好きでもない。【ワタナベマホト】 (ページ9)

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.マホトside

目の前にいるのは頬に傷がついたあずま。涙で目が赤くなっている。

マ「はぁ……お前馬鹿なの？」

『ｯ……ごめん……ｩｯ』

マ「あー、違うんだよ、泣かせたいわけじゃねーんだって。

泣いたってどうにもならねーだろ。」

『……うんｯ。ぅ……』

マ「ホント、危なかったんだからな。下手したらお前、死んでたぞ？」

マジで、急いで良かったぁ……俺ってば天才。

『ホント……ｸﾞｽｯ､ありがとう……』

マ「あー！もう泣くな泣くな！せっかくの可愛いお顔が台無しになっちゃうぞ？」

『はは、気持ち悪い……ｽﾞｯ､』

マ「おい！気持ち悪いとか言うなよ！かっこいいセリフ言ってんだからァ」

『あははｯ……』

マ「ったくよォ、俺まで辛くなるから、無理して笑うんじゃねーよ、俺今スベったって自覚してるから」

『…………んふふ。無理して笑ってないよ』

マ「嘘だな！お前は我慢し過ぎなんだよ。たまには甘えろ。悲しい出来事は人に分けろ。そうすればお前だって少しは楽になるから。」

『……じゃあお言葉に甘えて…。』

彼女は自分な頬に付いてる血を俺の頬にも付けた。そしてニヤッと笑った。

『お揃いだね。痛みを半分分けてあげたよ。』

そんな言葉に男の俺も“きゅん”ときちゃって。

マ「可愛すぎかよ、お前。」

気が付いたら口に出していた。

『え、』

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