華 と 花 【成瀬大二郎】

４２．ラーメン ページ42

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「……それで？なるは何を悩んでるの？」

成瀬「大したことじゃないけど」

「どうせ“弾とあす花さんに酷いこと言っちゃった”とか思ってるんでしょ」

成瀬「え？」

「やっぱり(笑) ねぇ、ちょっと時間ある？」





Aはなるの腕を引いて寮を出た。









＊＊＊







すっかり暗くなった商店街で、成瀬は「どこ行くの？手ぶらだし」と言いながらぎっしり掴まれた腕を振りほどくこともせず、Aに従った。




「男子高校生はラーメン好きでしょ。この裏道に凄い美味しいラーメン屋さんがあってさ！」

成瀬「そこに行くの？」

「そうそう！スタミナ貯めて明日からまた頑張ろうってことで、私が奢ってあげる。」





少し古びた建物の引き戸を開けると、ふわりと香る出汁の匂い。
陽気な店長が

「らっしゃい！って、Aちゃんと成瀬くんじゃねーか。いつもテレビで見てるぞ」

と、2人のことを知っているようで大歓迎してくれた。レジ横にある宝のアクリルスタンドが8LOOMへの気持ちを証明してくれていた。






「豚骨ラーメンの麺硬めで。なるは？」

成瀬「じゃあ、同じものを1つ」






「あいよー！」また元気な掛け声が聞こえて暫く経たないうちに「お待ちどおさま」と美味しそうなラーメンがカウンターに優しく置かれた。店主の人柄が垣間見えた。

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