華 と 花 【成瀬大二郎】

１６．吹っ切れた ページ16

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宝「〜〜〜〜っっは！？髪切ったん！？！？」








つい昨日全国ツアーをする発表をされた時、凄く嬉しかったのに弾とあす花さんのことが頭を邪魔して素直に喜べなかった。

この前から髪の毛を切ろう切ろうと言って先延ばしにしてきたのをようやく実行できた。



デビューから続けてきた派手髪ロングをやめて、黒髪ボブにした。


なんか身体が軽くなったみたい。ポニーテールにしても髪のせいで頭が重かったからすごく身軽で何度も髪の毛を触りながら電車を乗り換えた。








帰宅後すぐ宝の大きい声が響いた時、弾もこっちを見て目を見開いていた。







メンバー全員が髪を切ったことに気づくと近寄ってきて、有起哉に肩を組まれて頭をワシャワシャされる。







「せっかくトリートメントしたのに！」

有起哉「お前急なイメチェンは心臓に悪いだろ！」

竜星「Aの暗髪は見慣れないね。でも似合ってる」







その遠くから、あす花さんが「Aちゃん今日さかけそば！食べる？」ってもう既に盛り付けてある美味しそうな蕎麦を見せられて「食べます！」と元気に言い返した。







席について皆の輪に入って、コシのある蕎麦をすする。
その温かさが体の芯から温まって何杯でも食べたくなるようなそんな味がした。






蕎麦は啜らないといけなくて、会話が途切れがち。







そんな一瞬の静寂で、巧が切り出した。







巧「どうして髪の毛切ったの？」

「え？」







巧って、たまに鋭いことを言うから身構えちゃう。






今だって








巧「失恋でもした？」

「っ、気分だよ気分」







その言葉に英治が「ヒヤヒヤするからやめて！」なんて言ってるけどなるだけが笑っていなかった。







成瀬「でも似合ってるよ、物凄く」

あす花「うんうん！なんならわたしはボブの方が好きかも！」

「ありがとうございます！笑」

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