羨ましい ページ9
ーーーさっきからAはベッドの端で丸まったまま動かない。起きている筈なのに僕が呼びかけても無反応だ。
野坂「ねえ、A」
「……」
野坂「A……」
気づいたら僕はAを抱き締めていた。何故かは自分でもわからない。ただAが愛おしく思えた。
Aは肩をびくっと動かしたが、不思議と抵抗はしなかった。そして、暫くするとAが力を抜いたかと思えば、規則的な吐息をたて始めた。
……寝たか。僕はほんのり甘い香りがするAの頭を撫でた。
ーーーーーーーーーー
野坂「ねえ、A」
わざと無視しているのに気付かないのか。いや、あの悠馬くんが気付かない、なんて事は無いだろう。という事は？そっちもわざとずっと呼んでいるのか？
私はずっとベッドの端から動かず、早く悠馬くん寝ないかなあ、なんて淡い期待を寄せながらひたすら長い夜を過ごしていた。
野坂「A……」
すると、突然悠馬くんの声が聞こえなくなった。まさか、寝た？
私が考えていると何やらごそごそと動く音。それが止まったかと思った瞬間、私は悠馬くんに抱き締められていた。
私も最初は離れようと思ったが、何故か体が動かない。動かない、というより動けなかった。悠馬くんは優しすぎる位の力で私を包む。
ーーーずっと寂しかったのだろう。幼い時から両親は出張が多く、度々施設に短期間だけ預けられる事があった。その時に施設で知り合ったのが悠馬くんだった。悠馬くんは1人だった私に話しかけてくれた。そこから仲良くなり、文通もする様になった。
でも、私は�牋豌斑紬貝瓩�できる家庭が羨ましかったのだろう。悠馬くんも同じだった。だからこそ、愛し、愛されたかったーーー
抱き締められた恐怖よりも、安心感の方が勝ってしまっていた。
私は肩の力を抜いた。今まで私はこんなに力を入れていたんだ、と初めて気付いた。
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氷の疾風(プロフ) - アインツバル(家のパソコン)さん» おおー。すっっっごく嬉しいです！！これからも更新頑張っていきます！！ (2019年10月20日 0時) (
レス) id: 61b7fc8a8d (このIDを非表示/違反報告)
アインツバル(家のパソコン) - うおぉ、すっっっごい俺得な神作品を見つけてしまった…！作者様の文才が羨ましいですね……これからも応援してます！ (2019年10月19日 21時) (レス) id: ae0283035e (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 氷の疾風さん» お返事ありがとうございます！楽しみにしてます！ (2019年9月3日 19時) (レス) id: 9f238923bb (このIDを非表示/違反報告)
氷の疾風(プロフ) - のあさん» 好きと言って頂けてとても嬉しいです！ご期待に添えられる様頑張ります！ (2019年9月3日 13時) (レス) id: 61b7fc8a8d (このIDを非表示/違反報告)
のあ - 好きです！楽しみにしてます！ (2019年9月2日 21時) (レス) id: 9f238923bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：氷の疾風 | 作成日時：2019年6月22日 16時
