19話 ページ20
「……！……きろ！」
誰だろう。
ぐ【おーきーろーーーーー！】
『わぁ！何？』
ぐ「何じゃないわ！急に、倒れたりとかして！」
『あっ……』
そうだった。私、頭が痛くなって……
てことはここは、保健室……
『そう言えば、みんなは？』
ぐ「みんなは、先生に呼び出しされてる。事情聴取かな」
『そう……』
まだ知られてない？……
『ぐっち……』
ぐ「…ん？」
『思い出したら、辛くなるって何？』
ぐ「……え？」
『どういうこと？ぐっちは、私が記憶を失った理由を知ってるの？』
ぐ「……」
『ねぇ……教えてよ……』
ぐ「……？何言ってんの？」
『え？』
ぐ「俺、そんな事言ってないけど。」
『確かに、そう聞え……』
ぐ「曖昧だったから聞き間違えたんじゃないか？」
『……』
……そうかもしれないけど……そう聞こえたんだよ
ぐ「それよりも、元気になったんだし。買いに行くか！」
『え？』
ぐ「異論認めない！さあ準備して！」
なんかすごい。ペースに巻き込まれてる気がする。
『う、うん。』
ぐっちは、そう言って保健室を出た。
ぐっちside
聞こえてたのか……油断した。
確かにそういう事を言った。
多分Aは、頭が痛かったのは。
記憶を思い出そうとしたから。
……
ちゃんと、自分で思い出そうとして。偉いね。
その調子なら、辛いけど。
思い出せられるんじゃないかな。
ら「ぐちつぼ……」
『何。』
ら「今の話……」
お前も聞いてたのかよ。
『…』
ら「本当なの？」
『……違うよ』
らっだあ達にも、辛いと思う。
思い出してくれないのは。
でも。
A自身の話だから。
ら「何か隠してるだろ……」
彼も怒り気味だった。
『……隠してない』
『……思い出させるために、俺は近くにいるんだよ。』
【Aの近くに……】
ら「……」
『……守るために……』
それが【約束】だから。
『ナーンてね！ほらきょーさん達来たから！』
ら「……うん」
『きょーさんー！A元気になったから、買いに行こー！』
まだ、話せない。
【まだ】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しとぽん | 作成日時：2019年7月23日 8時
