当たり前のことしただけ ページ23
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次の日。
教室に入ると、やっぱり6人の姿はなかった。
怪我だらけの顔の私にクラスメイトの視線が集まる。
「え、大丈夫?」
「高尾くん達にやられたの?」
普段私の事なんて興味無いくせに、こういう時だけ寄ってくる。
あの6人はクラスの人たちからも先生達からも怖がられているから、そう思われても仕方ないことだけれど。
私のことを助けてくれたのはあの人達で。
「違うよ。その逆」
私は教室を出て、6人を探した。
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……いた。
体育館裏に6人は集まってた。
永「え、A?どした、授業は?」
「みんなこそ授業出てないじゃん」
哲「俺らはわかるけどさ、お前はいいの?」
「…言ってなかったから」
謙「何を?」
みんなの前に1歩踏み出して。
頭を深く下げた。
「助けてくれて、ありがとうございました」
顔をあげると、不思議そうに高尾くんがこっちを見つめてる。
颯「何で?」
「え、」
颯「当たり前のことしただけなんだけど」
「でも嬉しかったから」
颯「礼なんて別にいらないけど」
ぷいっと顔を逸らされてしまった。
余計なこと言ったのかな。
でもちゃんとお礼は言いたかったし……
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作者名:びょる | 作成日時:2022年6月6日 22時