この人1人で勝てるの? ページ20
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?「どけおらぁぁぁ!!!」
「ゔっっ!!」
突然男の体の重みがなくなって目を開けたら、
目の前の男は真横に倒れていた。
私を羽交い締めしていた男もいつの間にか離れていた。
颯「逃げんぞ」
私の体を軽々担いで走り出す。
必死にその逞しい体にしがみつく。
残りの男たちが叫びながら追いかけてくる。
この人1人で勝てるの?なんて思ったけど
手を使わずに、私を守りながら
脚だけで相手全員を倒した。
すごい……
そこから随分離れたところに下ろしてくれた。
颯「痛そうだね」
「…うん」
颯「怖かったっしょ」
「…うん」
颯「震えてる」
まるで壊れ物を扱うかのように優しくそっと抱きしめられる。
ーーー高尾くん。
どういう人か、私でも知ってる。
同じ学校の、この街で有名なヤンキー。
高尾くん以外にあと5人仲間がいるのも知ってる。
見た目も派手で怖くて、関わり無かったから偏見持ってたんだけど。
颯「大丈夫か?」
心配そうに私の顔を覗き込む。
まだ心臓がドキドキしてる。
怖かったドキドキと、安心のドキドキと、
色んなのが混じってる。
この人…ほんとは優しい人なのかな。
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作者名:びょる | 作成日時:2022年6月6日 22時