08.めいちゃん ページ9
それからも学校でよく話す仲になって、めいちゃん家に行ったら、なるせくんがたまたま来てたってことも増えた。
前までそんな事なかったんだけどね。どうしてかな。
なるせくんと2人きりで出かける日、そんな事ばっか考えてた。
｢ごめん、待った？｣
約束の3分前、なるせくんがやってきた。遅刻とかじゃないのに、申し訳なさそうに眉を下げてる。
めいちゃん相手だったら、こんな顔しないんだろうなーって、苦笑しながら待ってないよと答える。
なるせくんの目線がじぃーっと、下に下がる。
｢今日の格好、かわいいね｣
今日の服は、白いシャツの上からブラウンのニットベストを着て、コーヒーカラーのロングチュールスカートを履いてる。
靴は、アルテサノスのビットローファー。
バッグは今流行りのちっちゃくて持ち手が長いやつ。
韓国ブランドのベレー帽も被ってるし、どこからどう見てもオタクとは思わないだろう。
まさか、褒めてくれるなんて思わなかったけど。
｢あああありがとう｣
｢……ね、知ってた？Aって照れると最初の文字めっちゃ言うの｣
｢え？そうなの？｣
｢うん。それもバリ可愛い｣
え、なに、なんでそんなに可愛いばっか言うの？
私たぶん耳真っ赤だし、それにそんな事言われたら勘違いしちゃうんだけど。
｢やめてよ……はずかしい｣
｢お！気持ち悪いじゃなくなった！うれしー｣
うれしーって言いながら、いつもの、にししって笑い方。
そしていつの間にか、その笑い方が好きになっている。
｢なるせくん、お腹空かない？｣
｢すいたかも｣
なるせくんが、お腹を触りながらそう言った。なんか可愛い。
私はお肉が食べたくて、なるせくんはラーメンがいいって言うから、フードコートに行くことになった。
移動するときも会話が絶えない。
私たち、こんなに話合うの知らなかったよ。
……もしかしたら、私はなるせくんのこと好きになったのかもしれない。
よく話すようになって、そんなに日にちは経ってないけど。
こんなに心惹かれるのは、きっとそういう事だ。
なんて。
馬鹿みたいなこと、思ってた。
｢Aってさー、めいちゃんのこと好きでしょ？｣
｢はあ？｣
｢分かっちゃったよ俺｣
｢え、は？何言ってんの｣
｢照れなくていいってまじで｣
いつもの、にししって笑いが、頭の中で響いた。
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かとを74(プロフ) - 私 専用 誘拐犯の続編も気になりますし、正直この作品も素敵なのでっ続けてほしいです。 (4月5日 17時) (
レス) @page23 id: e7ab028975 (このIDを非表示/違反報告)
h - もし良ければこのお話を続けて頂きたいです (4月4日 2時) (レス) @page23 id: 721a3011a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鏡花 | 作成日時：2024年2月10日 11時
